コロナ疲れの方へ~「神々の山嶺」の羽生の姿をみてみては

自宅で過ごす時間が長くなり、やや孤独感、不安感、退屈さを感じながら過ごされている方も多いのではないでしょうか。

そんな精神状態でこの漫画を読むと、心がよい刺激を受けるだけでなく、現状を受け入れて未来に向けて行動せざるを得なくなると思ったのでご紹介します。

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10年以上前の2006年に出版された「神々の山嶺」という、小説原作の漫画です。

2016年には阿部寛主演で実写映画化もされています。

まずはあらすじをご紹介します。

山岳写真家深町誠は、カトマンドゥの怪しげな登山用品店でマロリーの遺品と思われるカメラを発見し、カメラの発見者がビカール・サンと名乗る謎の日本人であることを知る。帰国した深町は男の正体がエヴェレスト登山隊で事件を起こし、消息を絶っている天才クライマー羽生丈二であることを知り、羽生の生い立ちから、彼の人生の軌跡を追い始める。
登山に取り憑かれ、愛も欲望も削り落とした孤高の存在である羽生に魅せられた深町は、再度、カトマンドゥに向かい、羽生の冬季エヴェレスト南西壁無酸素単独登頂の撮影に挑むことになる。

マンガペディアより引用



読み始めると、冬のエヴェレストに最も困難なルートを経由して無酸素単独登頂、帰還を試みるという羽生という男の生き方、登山途中での過酷な環境、谷口ジローさんの圧倒的な山岳描写にのめり込んでしまうはずです。

羽生に魅了されて自らもエヴェレストに望むカメラマンの深町、羽生より3歳若く対称的性格の天才クライマー・長谷、山岳会で孤立する羽生を慕いザイルパートナーとなるも墜落死してしまう岸と、その妹で羽生や深町に思いを寄せる岸 涼子など、多様な人間模様がからむストーリー展開も秀逸です。


さて、本題の羽生という男の行動原理です。

6歳の時に両親を事故で失い自らも事故の後遺症で人にバカにされることになった負い目を覆すために、人に出来ないこととして、駅で見かけた山岳会への入会を志願するのです。

入会してからの人生は登山一辺倒です。

誰も達成できていない登山の道を追いかけるあまり、山岳会の中でも孤立していきます。

過酷な登山ではザイルパートナーが必要となりますが、彼の頭の中は自らの挑戦のみで、他人の思いやりに欠けた言葉を発してしまうからです。

その反面、過酷な環境の登攀(とうはん)※スキルをメキメキあげ、超人的精神力とスキルを身につけるのです。

※クライミング(climbing)もしくは登攀(とうはん)とは、垂直に近い地形や人工物等を自らの手、足、体、もしくは登攀用道具を使用して登ることである。 主に趣味、競技、救命活動、軍事作戦等で行われる。

Wikipediaより引用



前半のストーリーではわがままで近寄りたくない嫌なタイプに見える羽生ですが、徐々に実は他人の命や人情をとても大事にしている人間性の持ち主であることがわかってきます。

エヴェレスト登山中に何度も遭遇する試練での羽生の行動、登山前における入念な調査と下準備の緻密さ、自らの目標や信念のためにあえて大きなリスクテイクしていく行動原理などは、今の閉塞感に包まれた日本の社会経済の中で自らどう過ごし生きていくかという問題への示唆が多数あると思います。

1巻読むと全5巻まで読まずにはいられなくなるという、とても引き込む力のある名著ですので、未読の方はこの機会にぜひ手にとってみてください!

神々の山嶺全5巻はこちら


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