こんな先行き不透明な時代だからこそ読みたい”Think Clearly”からの学び

自己啓発書やビジネス書は読みきれないほど既に世の中に出版され、主張は様々ですよね。

本書も2019年4月に発行された翻訳本として上記の一つなのですが、以下の点でユニークでためになる本でした。

  • 経営学と哲学を学んで博士号を取得し、複数の会社で最高財務責任者、最高経営責任者を歴任したロルフ・ドベリ氏が、心理学の研究成果、ストア派哲学やバリュー投資家の考え方を取り入れてまとめた52コの思考の道具箱となっている
  • 難しい数式を並べるのでなく、各道具の意味がわかりやすい事例とともに紹介し、非常にアタマに入りやすい
  • 52コの道具のうち、各人にとって気づきを与えてくれそうな箇所から読み始めることができ、実践的


Think Clearly

よくあるサンプル数1の自慢話が多い経験談とはまったく異質な書籍ですので、まずは手にとって気になった箇所から読み始めてみてはいかがでしょうか。

手に取りやすくなるよう、最初に目次を掲載しておきますね。
  1. 考えるより、行動しよう
  2. 何でも柔軟に修正しよう
  3. 大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう
  4. 支払いを先にしよう
  5. 簡単に頼みごとに応じるのはやめよう
  6. 戦略的に頑固になろう
  7. 好ましくない現実こそ受け入れよう
  8. 必要なテクノロジー以外は持たない
  9. 幸せを台無しにするような要因を取り除こう
  10. 謙虚さを心がけよう
  11. 自分の感情に従うのをやめよう
  12. 本音を出しすぎないようにしよう
  13. ものごとを全体的にとらえよう
  14. 買い物は控えめにしよう
  15. 貯蓄をしよう
  16. 自分の向き不向きの境界線をはっきりさせよう
  17. 静かな生活を大事にしよう
  18. 天職を追い求めるのはやめよう
  19. SNSの評価から離れよう
  20. 自分と波長の合う相手を選ぼう
  21. 目標を立てよう
  22. 思い出づくりよりも、今を大切にしよう
  23. 現在を楽しもう
  24. 本当の自分を知ろう
  25. 死よりも、人生について考えよう
  26. 楽しさとやり甲斐の両方を目指そう
  27. 自分のポリシーをつらぬこう
  28. 自分を守ろう
  29. そそられるオファーが来たときの判断を誤らない
  30. 不要な心配ごとを避けよう
  31. 性急に意見を述べるのをやめよう
  32. 精神的な砦を持とう
  33. 嫉妬を上手にコントロールしよう
  34. 解決よりも、予防をしよう
  35. 世界で起きている出来事に、責任を感じるのはやめよう
  36. 注意の向け方を考えよう
  37. 読書の仕方を変えてみよう
  38. 自分の頭で考えよう
  39. 心の引き算をしよう
  40. 相手の立場になってみよう
  41. 自己憐憫に浸るのはやめよう
  42. 世界の不公正さを受け入れよう
  43. 形だけ模倣するのをやめよう
  44. 専門分野を持とう
  45. 軍拡競争に気をつけよう
  46. 組織に属さない人たちと交流を持とう
  47. 期待を管理しよう
  48. 本当に価値のあるものを見極めよう
  49. 自分を重要視しすぎないようにしよう
  50. 世界を変えるという幻想を捨てよう
  51. 自分の人生に集中しよう
  52. 内なる成功を目指そう


さて皆さんのどの道具に興味をもったでしょうか。

僕の場合、通勤途中や家での家事の最中に聴いて理解したのですが、特に次の3つの道具から気づきを得られました。

注目の3つの道具
3.大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう
4.支払いを先にしよう
8.必要なテクノロジー以外は持たない


大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう



本書ではいわゆる秘書問題の例が掲載されています。

秘書問題が何かをご存知ない方はググってみてくださいね。

簡単に言うと以下の論理です。

100人の秘書志望者から、もっとも良い秘書を選びたい場合の最良の選択は、37人目までを無条件に不採用とし、その後今まで(37人目まで)の最高記録を上回った人を採用すること。



100÷e(数学定数2.71828 …)=37から算出されたものです。

人間は生得的性質として面倒を嫌う怠け者で、果実はすぐに得たいと考えます。

しかしよくよく考えるとこのアプローチは本人にとって刹那的なストレス低減にはつながるものの、長期的には明らかにマイナス効果になることが書かれています。

上記の秘書問題に時間というリソースの概念は考慮されていないため、全てのケースにあてはまるわけではありませんが、素早く多様な選択肢を吟味することは、後からの後悔を減らすことができるので、生活に取り入れていきたいですね。

支払いを先にしよう



仲のよい人との旅行はとても楽しく、いい思い出としてもいつまでも記憶に残りますよね。

でも仮に宿泊先のホテルで5万円払う場合、予約時にクレジットカードで5万円支払い済みで、ホテルの方から満面の笑みで挨拶されて帰路に向かう場合と、宿泊費をきちんと事前に把握しておらず、チェックアウト時に初めて5万円という金額を知った場合を比べてみてください。

人間心理にはピークエンドの法則があるので、体験のピークとともに最後をどうクローズするかが大事というわけです。

企業の外注業務でも、最初の提案で「出来ます!」と気軽に言っておきながら、後から技術的ボトルネックが見つかったり、見積に含まれていなかった費用を後から請求されたりすると、不信感をいただきますよね。

人間は心の錯覚から逃れることが難しい生き物なので、その錯覚をわかった上で行動をコントロールすればストレスを少なくすることができるというわけです。

必要なテクノロジー以外は持たない



ここ数年、VR/ARなどのxR、AI、IoT、ブロックチェーン、MaaSなどテクノロジーの進化が激しすぎて、明らかに法律や人間の心が追いついていないですね。

こうした先端テクノロジーを搭載したガジェット類を使いこなせのるがイケていると勘違いしてしまいそうですが、著者は本当に僕たちの生産性向上に役立っているのかという疑問を投げかけています。

"Fucking Powerpoint!"と言っていた外国人のことを思い出しました。

先日アレクサ経由で声で家電をコントロールしてみようと、スマートコンセントを1,400円で購入したのですが、実は使っていません。

結局声でON/OFFを伝えるよりリモコンで十分だと気づいたからです。

スマホのアプリからの通知も、確実に僕らの本質的な深い思考時間を奪っていますからね。

テクノロジーのトレンドや影響力をおさえておくことは必須ですが、何でもかんでも導入するのは逆に無駄なので、ほどよい付き合いたい方を心がけたいものです。


この他多数の参考になる考え方、行動への示唆が事例とともに述べられているのが本書です。

読み手の状態に応じて気づきのある道具がどこかにあるはずですので、ぜひ手にとってみてください。



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