前科者1巻の感想~保護司の仕事を通してわかる満ち欠けする月のような人間って...

少年院や刑務所に収容されている人が、釈放後にスムーズに社会復帰できるよう指導を行う保護司の生活と、この仕事を取り巻く人間模様を描いたマンガがこの「前科者」です。

zennkamono _

保護司という仕事を知らなかったのと、犯罪者の出所後の生活などに興味を惹かれ、読んでみました。

これがまたとても味わい深い!

犯罪者も一人の人間であり、そこには人知れずの葛藤があります。また犯罪者の生活をサポートする保護司を生身の人間なので、決して完璧なわけもなく、人間関係や生い立ちなどに悩みを抱えているわけです。

このマンガは上記をきめ細かく描いているので感情移入しやすく、普段接することが全くといっていいほど接点のない犯罪者の出所後や保護司の普段の生活を通して人間理解を深めることができます。

1巻では、好きな女性をめぐる兄弟のいざこざから実の兄をボードで刺殺してしまった石川二郎という男の出所後の生活模様が丹念に描かれています。

出所後、二郎が懸命に更生しようしている中、高みから茶化してくる隣人。

兄の墓参り後に偶然かのように元恋人に再開するも、誤解から彼女の仕事を手伝っているスタッフに殴りかかろうとしてしまう二郎。

二郎の保護司に任命されるも苦しい経済状況の中で生活する中、職場で嫌がらせを受ける阿川という女性。

実は殺された兄に犯されて身ごもった子供がおり、今でも愛している二郎に真実を言い出せずにいる愛子という女性。

これらの人々の想いと生活が重層的にからみながら、三日月から満月へと変化する月になぞらえて描かれる人間心理と行動の多面性が本作品の主題なのでしょう。

保護司という仕事を把握する上でも、法務省のサイトの説明文などを読むより本作品を読んだほうが遥かにわかりすいです。


人に物事を伝え、行動を促すのはやはり説明よりストーリーですね。

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