ミステリと言う勿れ 2巻の名言を解説します

1巻から続くハイジャック事件の結末、整くんの名言はいかに?
この2巻前半で、1巻終盤からのバスハイジャック事件は意外な結末を迎えます。
犯人の動機と、突き止められてから更にもう一波乱がありますからね。
推理しながら楽しんでください。
相変わらず冷静な整くんの観察力と着眼点、あんにゅいな目線がとても印象的です。
整くんみたいな大学生って存在しますかね。
少なくとも僕の人生の中では遭遇したことがないですね。
存在したら、ちょっと怖いかもしれない。
普段は飄々としていながら、何か事件や問題が発生すると、人の心の奥底を見抜いた印象深いセリフをぽろっと言うわけですからね。
まじでビビりますよね。
例えばこんなセリフです。
苦しいことを薄めるために より悪いことを望むのはまずいです
こんなこと、大学生が普段の会話でいいますか!?
あたりが氷つきますね。。
(人は自分の存在を守ろうするとする生得的性質があるので、強い理性をもたないと悪いことをしでかしてしまうのは事実ですが)
まして空気を読むことに人一倍気にかける世代なら、口にはしないですよね。
別の見方をすると、マンガという虚構の物語だからこそ展開できるキャラクターとして、楽しめるともいえます。
「やべー、こいつ!」となるわけですw
後半のエピソード3「つかの間のトレイン」で見せた整くんの名言とは
電車の中で偶然整くんの隣に座った女性が読んでいた絵手紙をモチーフとするエピソードになります。
手紙の中に書かれた動物や食べ物などの絵の中に、メッセージを隠して相手に伝えるという、整くんが大活躍しそうな展開が待ち受けているわけです。
整くんは表情が柔らかく謎に包まれているので、モチーフとしてピッタリすぎますね。
ここでの名言はこれです。
どうしてバージンロードは父親と歩くのが基本なんでしょう
習慣といってしまえばそれまでですが、このことに「なぜ?」と疑問を投げかける人は少ないはずです。

僕も結婚式をあげていますが、そういうものとして受け入れるだけでした。
結婚や結婚式自体が儀式ですし、人生でおそらく最も冷静さを欠いている時期だと思いますので、このタイミングでバージンロードに「なぜ?」と疑問を投げかけられる人がいたら、それはそれでやばいと思いますね。
愛という感情で脳が麻痺していないことになりますからw
この作品内でも「バージンロード」が和製英語である点が指摘されている通り、英語では"wedding road", "wedding aisle"といい、過去の花嫁の人生を一歩一歩振り返り、旦那との未来の人生に託すためのキリスト教由来の儀式です。
スペインなどでは実際、父親と歩くことは性差別だという問題提起も起こっていますね。
さすが整くんという見方もできるわけです。
人間社会は幻想から生まれた儀式、「そういうことになっているだけのこと」が無数に存在します。
整くんのように冷静な観察眼で「なぜ?」と疑問をなげかけてその理由を探り、新たな可能性を模索していくこと今の変化の激しい時代こそ必要なんでしょうね。
以上、2巻での久能整の名言をもとにした感想でした。ぜひどうぞ!
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