”綺麗にしてもらえますか。”の感想~テック化で失われていく自然と人間性を思い起こす
2018/3/24に単行本1巻が発売されたヤングガンガン連載作品です。
熱海にある小さなクリーニング店を営む綺麗なお姉さんの日常を描いた漫画です。

仕事熱心で周りの人によく気が利くこの金目綿花奈さんを中心に、熱海の人情あふれる街並みが美しく描かれています。
読み終えてみて、このほっとする感情、今の自分に中に足りていない何かを満たしてくるものは何だろうと振り返りました。
クリーニングの確かな知識と技術をもっていることをふまえると、20代後半といったところでしょうか。
長い髪をなびかせて客先へ走る一生懸命な姿、愛らしい表情、元気がよく気にきいたふるまいなど、多くの人に愛される要素を沢山もっている女性です。
若い男性客のローファーに傷がついているのを見つけると、すかさず紙やすり、ハケ、染色剤を使って傷を目立たなく補修する手際の良さ。技術もさることながら、気遣いも一流です。
クリーニング店を訪れ、染み抜きを自分もやってみたいとわがままを言う少女の扱い方もこなれています。
スーパーでの買い物中に見つけたおいしそうなパン。思わず衝動買いをして、歩きながら頬張る飾らなさも持ち合わせいます。
こんな女性が近くにいたら周りの空気が一気に明るく澄み渡りそうです。
銭湯に入るシーン、部屋で疲れて寝てしまったところなど、男性向けの微エロ要素も盛り込まれています。
自然が豊富でゆったりとした熱海の空気感が、背景に描かれた絵の光と影などからよく伝わってきます。
山に斜面に立つマンション、夜の海に反射する街の照明、夜景をバックに打ち上がる花火、多数の漁船が係留する港、大木の傍に佇む神社の鳥居。
どれも日本の故郷の記憶を呼び起こしてくれる風景です。
クリーニングした衣服を届けに行った先は熱海の小さな宿。気さくな女将は宿泊客でもない金目に宿の自慢の源泉かけ流しの温泉をすすめてくれます。
クリーニング店で咄嗟に靴の傷を処置してあげた男性からは、今度はカバンの修理を頼まれます。
店内で染み抜きを教えてあげた少女の家からは、更に高い技術を必要とする貴重な大漁旗のクリーニングまで依頼されます。
少女の家はお土産屋さん。仕事中ながら焼いていた味の干物を勧められ、いただくことになります。
クリーニング店の見取り図や店員の一日の行動スケジュール、シミを科学的に解説した構造図と染み抜きの手順と道具など、これまで漫画で描かれたことのほとんどないクリーニング店の内側が描かれています。
グルメ、スポーツ、学園などを扱った漫画は多いですが、こうしたまだ誰も扱っていない題材を漫画として人間ドラマを交えて描いてくれることは視野が広がってためになりますね。
この漫画に魅了されるポイントを感じたまま4つの観点から書いてきました。
なぜここに惹かれるのかといえば、今の自分の身の回りにかつてよい思い出として存在していたことがあったものの、現在は少なくなっていってしまっているからなんだろうと思います。
田舎に旅行し、街を歩いていると感じるような空気感の世界です。
ハイテク化が進んだ現代の中で、何でもかんでも技術による効率化や収益最大化が正しいわけではないことを気づかせてくれるような漫画といえるのではないでしょうか。
熱海にある小さなクリーニング店を営む綺麗なお姉さんの日常を描いた漫画です。

仕事熱心で周りの人によく気が利くこの金目綿花奈さんを中心に、熱海の人情あふれる街並みが美しく描かれています。
読み終えてみて、このほっとする感情、今の自分に中に足りていない何かを満たしてくるものは何だろうと振り返りました。
魅了されるポイント
金目さんが美しい
クリーニングの確かな知識と技術をもっていることをふまえると、20代後半といったところでしょうか。
長い髪をなびかせて客先へ走る一生懸命な姿、愛らしい表情、元気がよく気にきいたふるまいなど、多くの人に愛される要素を沢山もっている女性です。
若い男性客のローファーに傷がついているのを見つけると、すかさず紙やすり、ハケ、染色剤を使って傷を目立たなく補修する手際の良さ。技術もさることながら、気遣いも一流です。
クリーニング店を訪れ、染み抜きを自分もやってみたいとわがままを言う少女の扱い方もこなれています。
スーパーでの買い物中に見つけたおいしそうなパン。思わず衝動買いをして、歩きながら頬張る飾らなさも持ち合わせいます。
こんな女性が近くにいたら周りの空気が一気に明るく澄み渡りそうです。
銭湯に入るシーン、部屋で疲れて寝てしまったところなど、男性向けの微エロ要素も盛り込まれています。
熱海の自然、街並みが美しく癒される
自然が豊富でゆったりとした熱海の空気感が、背景に描かれた絵の光と影などからよく伝わってきます。
山に斜面に立つマンション、夜の海に反射する街の照明、夜景をバックに打ち上がる花火、多数の漁船が係留する港、大木の傍に佇む神社の鳥居。
どれも日本の故郷の記憶を呼び起こしてくれる風景です。
クリーニング店周辺に暮らす人々の温かい交流に心がなごむ
クリーニングした衣服を届けに行った先は熱海の小さな宿。気さくな女将は宿泊客でもない金目に宿の自慢の源泉かけ流しの温泉をすすめてくれます。
クリーニング店で咄嗟に靴の傷を処置してあげた男性からは、今度はカバンの修理を頼まれます。
店内で染み抜きを教えてあげた少女の家からは、更に高い技術を必要とする貴重な大漁旗のクリーニングまで依頼されます。
少女の家はお土産屋さん。仕事中ながら焼いていた味の干物を勧められ、いただくことになります。
普段垣間見ることのないクリーニング店の構造や技術がわかる
クリーニング店の見取り図や店員の一日の行動スケジュール、シミを科学的に解説した構造図と染み抜きの手順と道具など、これまで漫画で描かれたことのほとんどないクリーニング店の内側が描かれています。
グルメ、スポーツ、学園などを扱った漫画は多いですが、こうしたまだ誰も扱っていない題材を漫画として人間ドラマを交えて描いてくれることは視野が広がってためになりますね。
なぜ魅了されるのか
この漫画に魅了されるポイントを感じたまま4つの観点から書いてきました。
なぜここに惹かれるのかといえば、今の自分の身の回りにかつてよい思い出として存在していたことがあったものの、現在は少なくなっていってしまっているからなんだろうと思います。
田舎に旅行し、街を歩いていると感じるような空気感の世界です。
ハイテク化が進んだ現代の中で、何でもかんでも技術による効率化や収益最大化が正しいわけではないことを気づかせてくれるような漫画といえるのではないでしょうか。
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