シノビノ3巻までの感想~主要登場人物の魅力を史実とともに探る
3/13に単行本3巻が発売。

引き続きぐいぐい読ませる力がすごいです。今回気になっていた主要人物の史実を少し調べた上で、作品を読んでみました。
主要キャラクターごとに魅力と史実との違いなどをまとめてみます。
※1巻からの感想はこちら。
普段はボケた感じながら先を見越して策をこっそり仕込み、戦闘時に圧倒的強さを見せるじいさんシノビ。
架空のキャラクターと思ってこの漫画を読んでいましたが、調べてみると実在していたんですね。
時の老中首座(現在の総理大臣の職)、阿部正弘はぺリー来航を受けてどう対応すべきか、大名や旗本に意見を求めた。
この時、津藩(三重県西部)藤堂家当主、藤堂高ゆきの家臣が提案したのが、無足人(下層武士)で武芸に優れた沢村甚三郎を黒船に遣わせるということだったと。
史実ではペリー提督暗殺を託されたわけではなく、諜報活動を頼まれ、書類2通などを船からもち帰ったとか。
こうして世に最後の隠密活動をした忍者。
史実をふまえて改めて漫画を読むと、想像力が更に刺激されて作品世界に浸ることができます。
作中では味方を騙してペリー総督と密約を交わし、腐りきった江戸幕府を潰すことを企む悪役です。
最初から甚三郎にこの悪事を見抜かれおり、グウーの音も出ないほどやり込められてしまいます。
しかし実際の正弘は25歳の若さで老中となり、27歳に老中首座に出世するというとんでもないエリートです。
長崎海軍伝習所(後の日本海軍)、講武所(後の日本陸軍)、洋学所(東京大学の前身)を創設し、品川台場(海上要塞)を作って軍力を自前で整備。
福山藩の初等教育で男女共学を取り入れるなど多くの業績を残しています。
最終的に米国と「日米和親条約」を結んで200年続いた鎖国を終わらせたわけですから、歴史上のインパクトは強烈ですね。
このように生き急ぎ過ぎたのか、39歳で生涯に幕を閉じています。
コマに描かれた表情をみるだけで少しイカれたキャラクターだとわかる松陰先生。
サスケハナ号上での甚三郎との戦いでは家来を自爆させて武器として使うという狂気が描かれています。
そんな振る舞いに甚三郎はこういって諭します。
史実によれば、吉田松陰も黒船に乗り込んだのはペリー総督暗殺というより、先進国に外国留学するチャンスとして、密航させてもらおうと考えていたようです。
この後自首して牢屋に入れられ、獄中で囚人達を相手に「孟子」の講義をはじめたことが、後の松下村塾での活動につながっているわけです。
さて、皆さんはどのキャラクターに一番興味をもたれるでしょうか。
※その後発売された4巻の感想はこちら。

引き続きぐいぐい読ませる力がすごいです。今回気になっていた主要人物の史実を少し調べた上で、作品を読んでみました。
主要キャラクターごとに魅力と史実との違いなどをまとめてみます。
※1巻からの感想はこちら。
沢村甚三郎
普段はボケた感じながら先を見越して策をこっそり仕込み、戦闘時に圧倒的強さを見せるじいさんシノビ。
架空のキャラクターと思ってこの漫画を読んでいましたが、調べてみると実在していたんですね。
時の老中首座(現在の総理大臣の職)、阿部正弘はぺリー来航を受けてどう対応すべきか、大名や旗本に意見を求めた。
この時、津藩(三重県西部)藤堂家当主、藤堂高ゆきの家臣が提案したのが、無足人(下層武士)で武芸に優れた沢村甚三郎を黒船に遣わせるということだったと。
史実ではペリー提督暗殺を託されたわけではなく、諜報活動を頼まれ、書類2通などを船からもち帰ったとか。
こうして世に最後の隠密活動をした忍者。
史実をふまえて改めて漫画を読むと、想像力が更に刺激されて作品世界に浸ることができます。
阿部正弘
作中では味方を騙してペリー総督と密約を交わし、腐りきった江戸幕府を潰すことを企む悪役です。
最初から甚三郎にこの悪事を見抜かれおり、グウーの音も出ないほどやり込められてしまいます。
しかし実際の正弘は25歳の若さで老中となり、27歳に老中首座に出世するというとんでもないエリートです。
長崎海軍伝習所(後の日本海軍)、講武所(後の日本陸軍)、洋学所(東京大学の前身)を創設し、品川台場(海上要塞)を作って軍力を自前で整備。
福山藩の初等教育で男女共学を取り入れるなど多くの業績を残しています。
最終的に米国と「日米和親条約」を結んで200年続いた鎖国を終わらせたわけですから、歴史上のインパクトは強烈ですね。
このように生き急ぎ過ぎたのか、39歳で生涯に幕を閉じています。
吉田松陰
コマに描かれた表情をみるだけで少しイカれたキャラクターだとわかる松陰先生。
サスケハナ号上での甚三郎との戦いでは家来を自爆させて武器として使うという狂気が描かれています。
そんな振る舞いに甚三郎はこういって諭します。
刃は心の上にある
心は刃を支えるためにある
強き刃と正しき心。
それを持つのが忍びの者だ。
「シノビノ 3巻」より引用
史実によれば、吉田松陰も黒船に乗り込んだのはペリー総督暗殺というより、先進国に外国留学するチャンスとして、密航させてもらおうと考えていたようです。
この後自首して牢屋に入れられ、獄中で囚人達を相手に「孟子」の講義をはじめたことが、後の松下村塾での活動につながっているわけです。
さて、皆さんはどのキャラクターに一番興味をもたれるでしょうか。
※その後発売された4巻の感想はこちら。
- 関連記事
-
-
男女入れ替わりというより、のり移りの映画「想いのこし」
-
笑うセールスマンNew 10話感想、考察〜過去と未来への鏡となるドーン‼︎
-
笑うセールスマンNew 9話感想、考察〜プライベートと仕事の幻想を追い求めた結果、、。
-
血の轍 2巻~更にエスカレートする美しくも怖い母親にあなたは何を思うか?
-
アニメ”Dr.STONE”第一話の感想~完璧なつかみで面白い!
-
ありがとう!「逃げ恥」最終回
-
アリータ: バトル・エンジェルの感想~目、アクション、恋愛と親子愛、サイボーグ、格差
-
ブルーピリオド2巻の感想~自分を知り、自分を楽しみ、自分を表現せよ
-
”僕の妻は感情がない” 1巻の感想~タクマさんと読者には感情があふれる漫画です
-
マイホームヒーロー4巻感想〜ガジェットとトリック、嘘の演技と夫婦の連携プレイを味わう
-
「地味にスゴイ!校閲 ガール・河野悦子」の見どころ
-
ハスリンボーイ1巻~奨学金負債を背負った大学生の男が裏社会で稼ぐ知恵を楽しむ
-
リウーを待ちながら 3巻 最終回までの感想〜理不尽な絶望はこの世の定め
-
”キングコング: 髑髏島の巨神”~東洋と西洋の絶妙なブレンドに浸る
-
正直不動産3巻の感想~不動産の問題に直面する前にこのマンガを読め!
-