元K1石井和義氏がまさかの原作、”どるから”の感想と面白さ〜男女入れ替わりに自虐ネタなど
この漫画、いろんな意味でかなり面白いです。
なんといってもK1で一世を風靡した石井和義氏が漫画原作者となり、この漫画の中で自分をネタにしている点です。

冒頭6ページ目、石井氏自身が刑務所から出所した直後、話しかける奇妙な猫に気を取られているところをトラックにはねられて死亡。これがヒーローズジャーニーでいうところの「冒険への誘い」として物語が動き出します。
石井氏は死亡後、この謎の猫の力で死亡した女子高生の身体を借りることになります。
そしてこの女子高生の両親が空手道場経営で借金をつくって死亡していることを知ることになります。
心は石井氏そのものとして、空手をたしなみ、道場の経営を担うことになるこの女子高生が主人公です。
テレビで石井氏の死亡が報道される中、画面の中ではあの角田信郎氏が涙を流して「これは絶対殺人ですわ‼︎」と訴えます。
それを見ていた街中の一人が、「ノリカおすすめ水素水を飲まないから...」といいます(笑)。
石井氏の心が乗り移った女子高生、一ノ瀬ケイは、300万円の借金を返済すべく、道場経営のビジネスモデル変革に乗り出します。
具体的には道場の立地などを考慮してターゲットを女子や子供に据え、フリーミアムモデルの導入を計画します。
名プロデューサーだった石井氏そのものを描いたようなアイデアを展開していくのです。
そしてこの道場経営を「スタバ空手」と名付けてイメージを改善し、早期の借金返済、道場の人気化を目指していきます。
まだ1巻が発売されたばかりですが、この先道場経営がどう変化していくのかワクワクしてきます。
「君の名は。」で広く知られることになった男女入れ替わり作品ですが、一番えげつないのがこの作品のような「おっさん×女の子」の入れ替わりです。
なんでかって?
書くまでもないでしょう(笑)。女性目線で見ると一番嫌悪感をもたれるパターンかもです。
こちらの記事にまとめていますが、この「おっさん×女の子」入れ替わりの名作としては以下の2作品があげられます。
「ホットチック」のおっさんは爆笑レベルのキモさで、荒唐無稽な展開にかなり笑えます。その上で親子、兄弟、友人、異人種間、ゲイといった多様な人間関係において外見でなく、こころのつながりが大事だということをテーマとしており、良作です。
「パパとムスメの7日間」(2007年夏ドラマ)はガッキーのおっさんバージョンが見られるというだけでもかなりの惹き。
その上で、父娘の入れ替わりということでの親子愛の他、親子以外にも登場する家族間の絆、職場の仲間の絆、恋愛や同級生との友情など、人間愛につつまれた傑作ドラマです。
こちらが原作小説です。
この「どるから」でも、男女入れ替わり作品の共通要素の一つ、「二人の入れ替わりに気づいているのは本人たち以外にも一人いる」ということが当てはまりますね。
厳密には今回は一人ではなく一匹ですが。亡くなった女子高生の身体に石井館長の魂を吹き込んだ張本人は猫なのです。
石井氏の魂を宿す前、女子高生の一ノ瀬は経営難の道場への銀行融資を引き出すべく、他のジムの有名選手を引き抜こうとしていました。
そして移籍との引き換え条件として、清水智英という男から関係を迫られていた過去がありました。
ところがこの男、実は虚勢をはっているだけで内情は試合に勝てず、ジムのコーチとコンビニバイトでギリギリの生活を送っていたのです。
試合による怪我の治療費が払えず、働いているジムで他人の保険証を盗もうとして見つかり、クビになります。
強くなって大会で勝利することをひたすら願うもかなわない。チケット購入を申し出てくれた母親に何とか報いたい。
そんな折、石井氏が乗り移った一ノ瀬を目撃。後をつけ以前依頼を受けていた道場への移籍を志願します。
ところが石井氏の魂が乗り移った一ノ瀬はあっさり断り、清水と一戦交えることになります。
結果は一ノ瀬の圧勝。
この清水という男の生き様は石井氏が生きてみてきた現実なのでしょう。夢を追う格闘家の生き様としてリアリティがあって面白いです。
格闘家とそれを取り巻く興行ビジネスを題材に、自虐的ネタとエロスを交えた自伝的要素もあるこの作品。
今後も継続して楽しみたいと思います。
※その後発売された2巻の感想はこちら。
なんといってもK1で一世を風靡した石井和義氏が漫画原作者となり、この漫画の中で自分をネタにしている点です。

自虐的ネタが面白い
冒頭6ページ目、石井氏自身が刑務所から出所した直後、話しかける奇妙な猫に気を取られているところをトラックにはねられて死亡。これがヒーローズジャーニーでいうところの「冒険への誘い」として物語が動き出します。
石井氏は死亡後、この謎の猫の力で死亡した女子高生の身体を借りることになります。
そしてこの女子高生の両親が空手道場経営で借金をつくって死亡していることを知ることになります。
心は石井氏そのものとして、空手をたしなみ、道場の経営を担うことになるこの女子高生が主人公です。
テレビで石井氏の死亡が報道される中、画面の中ではあの角田信郎氏が涙を流して「これは絶対殺人ですわ‼︎」と訴えます。
それを見ていた街中の一人が、「ノリカおすすめ水素水を飲まないから...」といいます(笑)。
お仕事漫画的面白さも
石井氏の心が乗り移った女子高生、一ノ瀬ケイは、300万円の借金を返済すべく、道場経営のビジネスモデル変革に乗り出します。
具体的には道場の立地などを考慮してターゲットを女子や子供に据え、フリーミアムモデルの導入を計画します。
名プロデューサーだった石井氏そのものを描いたようなアイデアを展開していくのです。
そしてこの道場経営を「スタバ空手」と名付けてイメージを改善し、早期の借金返済、道場の人気化を目指していきます。
まだ1巻が発売されたばかりですが、この先道場経営がどう変化していくのかワクワクしてきます。
男女入れ替わりもの定番のエロ描写
「君の名は。」で広く知られることになった男女入れ替わり作品ですが、一番えげつないのがこの作品のような「おっさん×女の子」の入れ替わりです。
なんでかって?
書くまでもないでしょう(笑)。女性目線で見ると一番嫌悪感をもたれるパターンかもです。
こちらの記事にまとめていますが、この「おっさん×女の子」入れ替わりの名作としては以下の2作品があげられます。
「ホットチック」のおっさんは爆笑レベルのキモさで、荒唐無稽な展開にかなり笑えます。その上で親子、兄弟、友人、異人種間、ゲイといった多様な人間関係において外見でなく、こころのつながりが大事だということをテーマとしており、良作です。
「パパとムスメの7日間」(2007年夏ドラマ)はガッキーのおっさんバージョンが見られるというだけでもかなりの惹き。
その上で、父娘の入れ替わりということでの親子愛の他、親子以外にも登場する家族間の絆、職場の仲間の絆、恋愛や同級生との友情など、人間愛につつまれた傑作ドラマです。
こちらが原作小説です。
この「どるから」でも、男女入れ替わり作品の共通要素の一つ、「二人の入れ替わりに気づいているのは本人たち以外にも一人いる」ということが当てはまりますね。
厳密には今回は一人ではなく一匹ですが。亡くなった女子高生の身体に石井館長の魂を吹き込んだ張本人は猫なのです。
女子高生取り巻く人間模様とそのサブストーリーも魅力的
石井氏の魂を宿す前、女子高生の一ノ瀬は経営難の道場への銀行融資を引き出すべく、他のジムの有名選手を引き抜こうとしていました。
そして移籍との引き換え条件として、清水智英という男から関係を迫られていた過去がありました。
ところがこの男、実は虚勢をはっているだけで内情は試合に勝てず、ジムのコーチとコンビニバイトでギリギリの生活を送っていたのです。
試合による怪我の治療費が払えず、働いているジムで他人の保険証を盗もうとして見つかり、クビになります。
強くなって大会で勝利することをひたすら願うもかなわない。チケット購入を申し出てくれた母親に何とか報いたい。
そんな折、石井氏が乗り移った一ノ瀬を目撃。後をつけ以前依頼を受けていた道場への移籍を志願します。
ところが石井氏の魂が乗り移った一ノ瀬はあっさり断り、清水と一戦交えることになります。
結果は一ノ瀬の圧勝。
この清水という男の生き様は石井氏が生きてみてきた現実なのでしょう。夢を追う格闘家の生き様としてリアリティがあって面白いです。
格闘家とそれを取り巻く興行ビジネスを題材に、自虐的ネタとエロスを交えた自伝的要素もあるこの作品。
今後も継続して楽しみたいと思います。
※その後発売された2巻の感想はこちら。
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