"夜の世界は美しい"のあらすじと考察~"千と千尋"的展開がキャバクラで?
裏サンデーにて連載中の作品で、先月単行本一巻が発売されたばかりの作品です。
伊十蔵 景さんというまだ十代の漫画家さんが描いています。

まずはネタバレ含むあらすじです。
17歳の高校生さおりと11歳の悟という姉弟が主人公。
さおりは男性が極度に苦手、悟は6年前から病院で闘病生活を送っている。
絵を描くのが好きな悟。
さおりは病院で悟が描いたの絵の中に、奇妙な唇と化け物が描かれているのを見つける。
悟は、酒癖の悪い変な化け物とそれを怨む唇の形をした生き物が出る夢の絵だという。
毎晩のようにその夢をみているという。
悟の心にはなんで自分だけがこんな闘病生活をしなければいけないのだという苦悩が横たわっていた。
ある日、友人とゲームセンターに出掛けていたさおりのもとに電話があり、悟が病院で行方不明との連絡がある。
さおりは悟が行きそうな場所として、昔家族で訪れた神社を思い浮かべ、探しに行く。
案の定、悟はそこにいた(はず)。
しかし振り向いた悟の表情は、変わり果てた化け物のようだった。
その瞬間、足元の床に穴があき、さおりは下へ下へと転落。
そこは人魚のような化け物が住まう高い塔がある水の中だった。
気がつくと目の前には悟の絵にあった巨大な唇が仕切る水中キャバクラのような店内。
巨大唇は、さおりにこのキャバクラのような店で働き、No.1になったら今までのことをチャラにするという。
水中に落下した場所がこのキャバクラ店内のテーブルで、客がさおりに驚き、お金も払わず帰ってしまったことに腹をたてているのだ。
そんな経緯で、さおりは摩訶不思議なキャバクラの店で働くことになる。
さおりが最も苦手とする男性との会話を仕事にしなくてはならなくなったのだ。
巨大な唇の名は紅といい、ここの店主だという。
さおりは紅から言われ、店での源氏名を本名と同じサオリとする。
さっそく働くよう命じられ、店内にいくと、目の前にいたのは悟とそっくりのスーツ姿の男性。
現場をまとめるマネージャーのようだ。しかし、この男は人違いだといい、名前は匠吾だという。
店内はまさにキャバクラのような世界。ただ、店内衣装は水槽の魚を使うという、奇妙な世界。
サオリは下着姿で魚のいる水槽に入れられると、魚がドレスとなり、水中でも呼吸ができるようになるという。
キャバクラの客席は水中にあり、店内をウミヘビの姿のボーイがキャストを誘導している。
そこへ、クラーケン(タコのような化け物)の来店。
この客は財力が半端なく、大金を店に落とすが、かなり乱暴もの。
気に食わないとキャストの女性を食べてしまう。
そこで紅は、サオリをヘルプにつけさせる。
うまく接客できるわけもないさおりは、クラーケンについた別のキャスト、カレルから嫌がらせとばかりに強い酒を飲まされてしまう。
さおりはここで、現実世界のことを思い出す。カレルと同じ目つきをした同級生に陰でいじめられていたことを。
拓斗という男子生徒と仲良くしていたことを他の女子生徒に妬まれ、嫌がらせをされていたのだ。
この水中キャバクラでも同じことが起こっている。
しかし、サオリは弟の悟を探し出さないといけない。
そして、この状況を乗り越えていくための決意を新たにするのだ。
読んだ方はあれ?どこかで見たことある世界観だなと思うはずです。
そう、ジブリの「千と千尋の神隠し」ですね。
具体的に似ている点をあげてみます。
表面的な部分だけでも沢山ありますね。
両作品のキャラクターに注目すると、このような対応関係がありますね。
「千と千尋の神隠し」は、自己のアイデンティティ、人の二面性、自然破壊や資本主義の搾取構造など、多数のメッセージ性をもっていました。
この「夜の世界は美しい」はまだ一巻のみなので、全体メッセージはまだまだわからないところがあります。
しかし、男の子とまともに会話できず、 同性からもいじめにあっている姉、さおりと、入院生活を続け、生きる意味を失いかけている悟の姿をみると、自分のアイデンティティを確立していくための成長物語となりそうな気がします。
成長するために用意された場が、この水中キャバクラというわけです。
ネット上でパクリだという意見をみましたが、そもそも世の中のコンテンツは過去の作品から影響を受けていない作品などないのですから、ナンセンスですね。
この先の展開が気になりますね。
その後発売された2巻の感想、考察はこちら。
伊十蔵 景さんというまだ十代の漫画家さんが描いています。

まずはネタバレ含むあらすじです。
あらすじ
17歳の高校生さおりと11歳の悟という姉弟が主人公。
さおりは男性が極度に苦手、悟は6年前から病院で闘病生活を送っている。
絵を描くのが好きな悟。
さおりは病院で悟が描いたの絵の中に、奇妙な唇と化け物が描かれているのを見つける。
悟は、酒癖の悪い変な化け物とそれを怨む唇の形をした生き物が出る夢の絵だという。
毎晩のようにその夢をみているという。
悟の心にはなんで自分だけがこんな闘病生活をしなければいけないのだという苦悩が横たわっていた。
ある日、友人とゲームセンターに出掛けていたさおりのもとに電話があり、悟が病院で行方不明との連絡がある。
さおりは悟が行きそうな場所として、昔家族で訪れた神社を思い浮かべ、探しに行く。
案の定、悟はそこにいた(はず)。
しかし振り向いた悟の表情は、変わり果てた化け物のようだった。
その瞬間、足元の床に穴があき、さおりは下へ下へと転落。
そこは人魚のような化け物が住まう高い塔がある水の中だった。
気がつくと目の前には悟の絵にあった巨大な唇が仕切る水中キャバクラのような店内。
巨大唇は、さおりにこのキャバクラのような店で働き、No.1になったら今までのことをチャラにするという。
水中に落下した場所がこのキャバクラ店内のテーブルで、客がさおりに驚き、お金も払わず帰ってしまったことに腹をたてているのだ。
そんな経緯で、さおりは摩訶不思議なキャバクラの店で働くことになる。
さおりが最も苦手とする男性との会話を仕事にしなくてはならなくなったのだ。
巨大な唇の名は紅といい、ここの店主だという。
さおりは紅から言われ、店での源氏名を本名と同じサオリとする。
さっそく働くよう命じられ、店内にいくと、目の前にいたのは悟とそっくりのスーツ姿の男性。
現場をまとめるマネージャーのようだ。しかし、この男は人違いだといい、名前は匠吾だという。
店内はまさにキャバクラのような世界。ただ、店内衣装は水槽の魚を使うという、奇妙な世界。
サオリは下着姿で魚のいる水槽に入れられると、魚がドレスとなり、水中でも呼吸ができるようになるという。
キャバクラの客席は水中にあり、店内をウミヘビの姿のボーイがキャストを誘導している。
そこへ、クラーケン(タコのような化け物)の来店。
この客は財力が半端なく、大金を店に落とすが、かなり乱暴もの。
気に食わないとキャストの女性を食べてしまう。
そこで紅は、サオリをヘルプにつけさせる。
うまく接客できるわけもないさおりは、クラーケンについた別のキャスト、カレルから嫌がらせとばかりに強い酒を飲まされてしまう。
さおりはここで、現実世界のことを思い出す。カレルと同じ目つきをした同級生に陰でいじめられていたことを。
拓斗という男子生徒と仲良くしていたことを他の女子生徒に妬まれ、嫌がらせをされていたのだ。
この水中キャバクラでも同じことが起こっている。
しかし、サオリは弟の悟を探し出さないといけない。
そして、この状況を乗り越えていくための決意を新たにするのだ。
千と千尋の神隠しとの共通性とは
読んだ方はあれ?どこかで見たことある世界観だなと思うはずです。
そう、ジブリの「千と千尋の神隠し」ですね。
具体的に似ている点をあげてみます。
- 主人公の少女がひょんなことから異世界に迷い込む
- 異世界の店は高い塔のような建物である
- 異世界では奇妙なママが場を仕切っており、少女はそこで働くことになる
- 少女は異世界で家族を取り戻すべく奮闘する
- 未知の異世界で少女が生活していくために支援する少年が登場する
- 異世界を仕切るママは、サービス業を営んでおり、そこに客人として横暴な上客が訪れ、店員を食べてしまう
- その上客は、途中で、凶暴化して巨大な化け物の姿に変化し、制御できなくなる
- 異世界には奇妙なキャラクターが多数登場する
表面的な部分だけでも沢山ありますね。
具体的にはどう置き換えてる?
両作品のキャラクターに注目すると、このような対応関係がありますね。
- 千尋→さおり
- 湯婆婆→紅
- ハク→匠吾
- リン→フス子
- カオナシ→クランケン
作品テーマはどうなのか
「千と千尋の神隠し」は、自己のアイデンティティ、人の二面性、自然破壊や資本主義の搾取構造など、多数のメッセージ性をもっていました。
この「夜の世界は美しい」はまだ一巻のみなので、全体メッセージはまだまだわからないところがあります。
しかし、男の子とまともに会話できず、 同性からもいじめにあっている姉、さおりと、入院生活を続け、生きる意味を失いかけている悟の姿をみると、自分のアイデンティティを確立していくための成長物語となりそうな気がします。
成長するために用意された場が、この水中キャバクラというわけです。
ネット上でパクリだという意見をみましたが、そもそも世の中のコンテンツは過去の作品から影響を受けていない作品などないのですから、ナンセンスですね。
この先の展開が気になりますね。
その後発売された2巻の感想、考察はこちら。
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