物議を醸している!? "ワンダーウーマン"は"セーラームーン"なのか?
米国中心に記録的ヒットとなっている「ワンダーウーマン」。日本でも視聴した人からの評価は非常に高いものの、最終興収はトレンド的に20億円ぐらいの模様です。
個人的には主演のガル・ガドットの演じるダイアナの力強さ、純粋さ、凛んとした美しさ、可愛さに魅了されまくりました。前向きのメッセージに最後は自然と涙もこぼれましたね。

物議を醸し出したYouTubeでの日本向け予告映像。
聞き慣れた声なのは、あの「セーラームーン」の主人公、月野うさぎの声優で知られる三石琴乃さんがこのナレーションを担当しているからです。
この「女だけの島で育ち、男も知らず、恋も知らない史上最強のスーパーヒーローは女だった」という振り。
もう一つ。
スウェーデンのダンスバトルSTREETSTAR 2013での模様。ダンスバトルがセーラームーンとワンダーウーマンのコスプレで行われています。
どうやらこの二人には共通点がありつつも、何かが決定的に異なることが問題となっている要因と考えられます。
表面的な点からいうと、二人とも日米の人気コミックキャラクターであり、悪の存在と戦う存在です。
そして戦い方として、通常の人間が真似できない魔法のような武器を使う点も似ています。
セーラームーンは定番の「ムーン・ティアラ・アクション」などの武器を使った必殺技、ダイアナには映画で多用していた真実の投げ縄のような魔法などがあります。
性格的な面として、可愛らしさと純粋さを持ち合わせている点も似ています。そして二人とも、目の前に苦しんでいる人がいたら放っておけないまっすぐな性格です。
セーラームーンに変身前の月野うさぎは日常生活でどじの多い、天然系性格です。ダイアナも女性だけが住む島、セミッシラで育ったため、人間社会や男の存在のことを経験的にはわかっていないため、一見天然系に見えます。しかし本質的には賢く勇敢な女性です。
セミッシラ島でダイアナ含むアマゾン族が敵のドイツ軍に襲われた時に見せた投げ縄や弓矢、跳躍を利用したチームプレイは、セーラームーンの5人の戦士が力を合わせて戦う姿を彷彿させます。
こうしてみると、共通点がいくつもあるのは事実ですが、ワンダーウーマンは米国版セーラームーンだよといったら多くの人は首をかしげると思います。
その違和感の要因はいくつかありますね。
まずアメリカ人と日本人という人種の違いに起因しますが、かたやパワフルな筋肉の肉体美とアクロバティックな動きも大きな魅力要素なのに対し、セーラームーンは美少女戦士と言われているように、マッチョさは全くありません。これはもう人種的文化的に違いますね。
セーラームーンの魅力の一つにその変身シーンと衣装があります。この変身とポージングは仮面ライダー、ウルトラマン、戦隊シリーズといった特撮ものの定番ですが、日本の歌舞伎文化に由来するものだと考えられます。
ワンダーウーマンでも戦闘コスチューム(日本人の目からはあまりカッコ良く映りませんが。。)や、決めポーズはありますが、お決まりの変身シーンはないですね。このあたりは文化のルーツの違いでしょうね。
コスチュームの系統も全く違いますね。ワンダーウーマンはそもそも人間ではなく粘土から作られた存在ですからね。
作品ストーリーからみた主人公としての行動動機もだいぶ違いますね。ワンダーウーマンは幼い頃から世界の調和を乱す悪と戦う戦士として育てられ、世界の争いを止めるために故郷のセミッシラ島を後にしました。
一方、セーラームーンも悪と戦いますが、その行動動機は世界平和といった大それたものではなく、身近な大切な人を守りたいということです。行動動機は主人公の存在意義を決定づけるものなので、これが異なるキャラクター同士を同類に位置付けることが違和感の一番の要因に思います。
この行動動機に関連しますが、世界平和を目指して戦うダイアナの戦いの舞台は第一次世界大戦中のヨーロッパです。スケールが大きいのです。更には神々の世界にまで侵食していますからね。
これに対してセーラームーンが戦う舞台はその行動動機と密接に絡み合い、何気ない日常世界です。スケール感はだいぶ小さいですね。
冒頭に書いた日本での宣伝映像のナレーションですが、日本でほとんど知名度のないワンダーウーマンというキャラクターとその女優を売り出すに当たり、日本で最も知名度があり、上記のような共通点も複数あるセーラームーンを活用したかったということなんでしょうね。
これだけ作品の評判がよいので、シリーズとして今後きちんと展開していけば、自ずと人気が高まり、興収も上がっていくように思います。
今年興収60億円を突破した「怪盗グルーシリーズ」の「怪盗グルーのミニオン大脱走」ですが、シリーズ1作目の興収は12億円だったわけですから。
個人的には主演のガル・ガドットの演じるダイアナの力強さ、純粋さ、凛んとした美しさ、可愛さに魅了されまくりました。前向きのメッセージに最後は自然と涙もこぼれましたね。

セーラームーンがやたら引き合いに出されているけどどうなの?
物議を醸し出したYouTubeでの日本向け予告映像。
聞き慣れた声なのは、あの「セーラームーン」の主人公、月野うさぎの声優で知られる三石琴乃さんがこのナレーションを担当しているからです。
この「女だけの島で育ち、男も知らず、恋も知らない史上最強のスーパーヒーローは女だった」という振り。
もう一つ。
スウェーデンのダンスバトルSTREETSTAR 2013での模様。ダンスバトルがセーラームーンとワンダーウーマンのコスプレで行われています。
どうやらこの二人には共通点がありつつも、何かが決定的に異なることが問題となっている要因と考えられます。
どこが似ているのか?
表面的な点からいうと、二人とも日米の人気コミックキャラクターであり、悪の存在と戦う存在です。
そして戦い方として、通常の人間が真似できない魔法のような武器を使う点も似ています。
セーラームーンは定番の「ムーン・ティアラ・アクション」などの武器を使った必殺技、ダイアナには映画で多用していた真実の投げ縄のような魔法などがあります。
性格的な面として、可愛らしさと純粋さを持ち合わせている点も似ています。そして二人とも、目の前に苦しんでいる人がいたら放っておけないまっすぐな性格です。
セーラームーンに変身前の月野うさぎは日常生活でどじの多い、天然系性格です。ダイアナも女性だけが住む島、セミッシラで育ったため、人間社会や男の存在のことを経験的にはわかっていないため、一見天然系に見えます。しかし本質的には賢く勇敢な女性です。
セミッシラ島でダイアナ含むアマゾン族が敵のドイツ軍に襲われた時に見せた投げ縄や弓矢、跳躍を利用したチームプレイは、セーラームーンの5人の戦士が力を合わせて戦う姿を彷彿させます。
二つの作品を同類に扱う違和感の正体
こうしてみると、共通点がいくつもあるのは事実ですが、ワンダーウーマンは米国版セーラームーンだよといったら多くの人は首をかしげると思います。
その違和感の要因はいくつかありますね。
まずアメリカ人と日本人という人種の違いに起因しますが、かたやパワフルな筋肉の肉体美とアクロバティックな動きも大きな魅力要素なのに対し、セーラームーンは美少女戦士と言われているように、マッチョさは全くありません。これはもう人種的文化的に違いますね。
セーラームーンの魅力の一つにその変身シーンと衣装があります。この変身とポージングは仮面ライダー、ウルトラマン、戦隊シリーズといった特撮ものの定番ですが、日本の歌舞伎文化に由来するものだと考えられます。
ワンダーウーマンでも戦闘コスチューム(日本人の目からはあまりカッコ良く映りませんが。。)や、決めポーズはありますが、お決まりの変身シーンはないですね。このあたりは文化のルーツの違いでしょうね。
コスチュームの系統も全く違いますね。ワンダーウーマンはそもそも人間ではなく粘土から作られた存在ですからね。
作品ストーリーからみた主人公としての行動動機もだいぶ違いますね。ワンダーウーマンは幼い頃から世界の調和を乱す悪と戦う戦士として育てられ、世界の争いを止めるために故郷のセミッシラ島を後にしました。
一方、セーラームーンも悪と戦いますが、その行動動機は世界平和といった大それたものではなく、身近な大切な人を守りたいということです。行動動機は主人公の存在意義を決定づけるものなので、これが異なるキャラクター同士を同類に位置付けることが違和感の一番の要因に思います。
この行動動機に関連しますが、世界平和を目指して戦うダイアナの戦いの舞台は第一次世界大戦中のヨーロッパです。スケールが大きいのです。更には神々の世界にまで侵食していますからね。
これに対してセーラームーンが戦う舞台はその行動動機と密接に絡み合い、何気ない日常世界です。スケール感はだいぶ小さいですね。
本記事のまとめ
冒頭に書いた日本での宣伝映像のナレーションですが、日本でほとんど知名度のないワンダーウーマンというキャラクターとその女優を売り出すに当たり、日本で最も知名度があり、上記のような共通点も複数あるセーラームーンを活用したかったということなんでしょうね。
これだけ作品の評判がよいので、シリーズとして今後きちんと展開していけば、自ずと人気が高まり、興収も上がっていくように思います。
今年興収60億円を突破した「怪盗グルーシリーズ」の「怪盗グルーのミニオン大脱走」ですが、シリーズ1作目の興収は12億円だったわけですから。
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