ドラマ「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです」から振り返る結婚制度 

今クール、中谷美紀主演ドラマ「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです」を見ていて、改めて日本での結婚という制度に思いを馳せた。

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橘みやびは美容クリニックの院長として社会的に自立し、不自由なく暮らしているが、まわりからのプレッシャーなどから婚活に挑んでいく。クリニックにランチを届けるデリバリースタッフの26歳、橋本諒太郎とひょんなことから急接近するが、母親に紹介しようとする直前に結局ふられる。諒太郎はみやびの目を振り向かせることに興味があっただけで、家族を背負う覚悟など毛頭なかったのだ。一方、みやびの高校時代の同級生の桜井 洋介も、元彼の子供を妊娠していた恋人エリとの関係が終わったあと、一度はふったみやびに自分からアプローチする。しかし、結婚を前提としない付き合いならという条件で。結婚はまだ考えられないという。みやびに恋愛指南する十倉 誠司は仕事の料理だけでなく、自部屋などの細部にこだわりをもつ趣味人的人間であり、家庭をあまり省みず、妻から離婚をつきつけられている。



みやびと、とりまく3人の男性にとって、安定的な精神的な支えとしてのパートナーという意味では必要かもしれないが、今の日本の結婚制度に基づく配偶者は必要ないのではと思える。

恋愛のゴールが結婚であり、家族をもつことであるというのは日本で知らず知らずのうちに意識に刷り込まれている幻想の一つだろう。男は外で稼ぎ、女は家を守るという役割分担のもと、終身雇用を前提にいつかはマイホームをとばかりに懸命に働くサラリーマンという昭和の高度成長時代には今の日本の結婚制度は機能していたのかもしれない。

ところが右肩上がりの成長がなくなり、男女の役割分担が曖昧になった今、お互いの同意がなければ簡単に離婚できず、男性が自由を捨てて妻子を養っていくことや、女性が仕事を捨てて家庭に入るという選択肢はとりにくくなっている。離婚できたとしても、シングルで子供を育てていく社会環境が整っていない日本では、貧困に陥るリスクが高い。その結果、未婚率が高まり、少子化につながるわけだ。

今の日本の結婚のあり方の前提となる戸籍制度はたかだか145年の歴史しかなく、世界に目を向ければ、スウェーデン、フランスを筆頭に婚外子の割合は先進国で軒並み40%を超えているのだ。一方、日本ではわずか2%。フランスやスウェーデンでは法的権利や社会保障が認められたお試し婚が制度化されており、同棲し、子供を作り、相手を真に理解して一生を添い遂げたい場合に初めて結婚するという考え方が普及しているのだ。

裁判所を通さないと離婚できないキリスト教を背景とするヨーロッパに比べ、日本は離婚への敷居が低いが、離婚後300日以内に出産した子供は、他人の遺伝子でも法律上前夫の子供と位置づけられてしまうという、遺伝子より戸籍を優先した考え方も残っており、DNA鑑定が可能となった今の時代との乖離を感じてしまう。

自分らしい生き方をしていくためには、回りの空気に流されず、広い視野で自分自身をどうデザインしていくというビジョンが必要だろう。

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十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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