血の轍 5巻の感想~満たされなかった欲望はどこへいくのか...

2019年2月末に単行本5巻が発売されました。

5巻

※1巻からの感想はこちら

吹石さんとともに母親静子から逃げた静一のその後の様子が描かれているのがこの5巻です。

おおよそどんな展開になるか想像がつきますよね。

親を避けている中学生男女が同じ部屋で一晩過ごすとどんなことになるのか。

押見先生流のフォーカスしたアングルで、それぞれの表情から心理状態が手に取るようにわかります。

一方毒親の静子もだまっているわけがありません。

自宅に帰ってこない息子の静一が向かう可能性が高い場所は一つしかありませんから。

そこで初めて静子の心の叫びが聞こえてきます。

何らかのトラウマです。

トラウマはどこかで発散せざるを得ません。

子供が真っ先にその被害者となります。

まあ、アドラー流にいうなら、トラウマはその人が勝手に作り上げてしまった幻想ですけどね。

展開としては、当然静一もそれを知ってしまうわけです。

ここが本作品のミドルポイントといえるでしょうか。

中学生の静一も理性的にどう行動すればいいのかわかるはずもなく、更に三角関係はややこしくなっていきそうです。

ストーリー上の定石からいうと、次の6巻から怒涛の展開となりそうです。


「惡の華」、「僕は麻里のなか」といい、押見先生はこの手の作風で圧倒的な存在感を放っていますね。



関連記事

Comments 0

Leave a reply