マンガ大賞2018のBEASTARS 1巻を読んで。その感想

時間がなくてなかなか読めていなかったBEASTARS。TSUTAYAで1巻を借りて、昨日ようやく読むことができました。

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  • 多様性の中での共存
  • 差別と上下関係
  • 他人からは見えない人の内面の葛藤
  • 理性と感情

これらの昨今の社会的イシューをテーマに、擬人化された動物たちの学園生活を舞台に描いた作品といえますね。

同様なテーマを扱い、多くの関心を集めた作品としてすぐに想起したのは、2016年のディズニーの話題作、”ズートピア”と、今まさに日本でも社会現象化している”ボヘミアン・ラプソディ”ですね。

10年代後半における最大の社会的イシューといっていいでしょう。

冒頭、こんなセリフが登場します。

下等なのはそっちの方だぞ
お前ら肉食獣なんてみんな怪物だ



そして次のページでは、肉食獣の牙と鮮血が飛び散ります。

1話はこの描写からはじまり、肉食動物と草食動物がともに暮らす学園が描かれ、殺されたのは大アルパカのティムであることが明かされます。

そして主人公のハイイロオオカミのレゴシが不気味な風貌で登場。

アンゴラヒツジのエルスが忘れた時計を取りに一人で夜の稽古場いに戻ると、レゴシが待ち構えているのです。

再び緊張が漲り、冒頭の鮮血から読者は再び惨劇が起こるのではと想像力を働かせてしまいます。

しかし、その後の展開で、これが大きな誤解であることに気づかされることになります。

レゴシは肉食動物であるオオカミという種別とその風貌から、勝手にレッテルを張られるわけですが、実際は繊細で他人の気持ちを気遣えるやさしい心の持ち主なのです。

第5話では、レゴシのもう一つの内面の葛藤が描かれます。

ハイイロオオカミとしての本能の問題です。

理性的にふるまえている場合は上記の通りやさしい気遣いができるいい奴なのに、猛獣としてダークな内面も持ち合わせているのです。

草食動物で餌となるウサギのミズチが夜道を一人で歩いている姿を前に、この抑えがたい本能を制御できなくなってしまうのです。

人間も同じですね。

うまくいくとすぐに調子に乗ってボロがでます。

自分を振り返っても毎日のニュースをみても、この手の出来事が絶えませんからね。

動物達の学園生活を時にはダークでミステリアスに、またある時はユーモラスに描いた本作品は、人間と社会の矛盾や難しさを比喩的に描いており、自分を客観的にも見つめなおすきっかけとなる良作といえそうです。



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