呪術廻戦2巻までの感想~漏瑚(じょうご)のこのセリフから

呪術廻戦2

人間は嘘でできている
表に出る正の感情や行動には必ず裏がある
だが負の感情
憎悪や殺意などは偽りのない真実だ

そこから生まれ落ちた我々呪いこそ
真に純粋な本物の”人間”なのだ

2巻63ページより引用


2巻まで読み進めて一番引っかかったのが、敵の呪霊、漏瑚(じょうご)のこのセリフだ

一瞬、心の真実をつかれたように、ドキッとさせられる。

しかしよくよく読み返すと怪しい内容、詭弁である。

人間は嘘でできている



人間は確かによく嘘をつく。

嘘をついたことのない人はいないだろう。

しかし、嘘にも人間関係を円滑にするために必要な良い嘘と、人を騙すための悪い嘘がある。

嘘でできていると言ってしまうと、嘘の反対の概念である真実がないことになってしまう。

そんなことはない。

発言やに嘘の混じる割合はせいぜい1割だろう。

嘘しか話さない人間には出会ったことがない。

だから呪霊の「嘘でできている」という発言には同意しかねる。

物事をあえて極端に表現することで人の心をかく乱する作戦ともいえる。

表に出る正の感情や行動には必ず裏がある。だが負の感情 憎悪や殺意などは偽りのない真実だ



表に出る正の感情、行動に裏があることは確かに多いと思うが、「必ず」ではない。

試合に勝って拍手喝さいを浴び、満面の笑みを浮かべているとき、その喜びの感情に偽りはないはずだ。

目の前で倒れた人を見かけた時に思わず手を差し伸べる行動にも、偽りはない。(そうではない人もいるが)

一方、怒りなどの負の感情は瞬間的かつ無意識のうちに起こることが多く、偽りではないことが多いのは事実だろう。

強い負の感情そのものはそもそも理性の制御を超えて生じているから、嘘が入り込む余地はないことが多い。

だが、正の感情や行動と同様、みせかけで人を操作するために負の感情をもとにした行動を使うことはありえることだ。

真の殺意はないのに、いたづらで殺すぞと脅し、自分の真の目的を達成しようとする場合などだ。

表に出た負の感情、行動にも裏があることは実は多いのだ。

そこから生まれ落ちた我々呪いこそ真に純粋な本物の”人間”なのだ



上記のことから、この呪霊こそが本物の人間であるという論理は破綻している詭弁であることがわかる。

しかし、一見真実をついているように聞こえるところがミソである。

そこに付け込まれてしまえば相手の思うツボだ。


言葉はよくよく意味や語源を辿り、論理を吟味しないといけない。

そもそもいつでもどこでも正しい普遍性のある論理など存在しない。

日本でも数百年前まで殺人、自殺も絶対悪ではなかったのだから。



関連記事

Comments 0

Leave a reply