ブルーピリオド2巻の感想~自分を知り、自分を楽しみ、自分を表現せよ

美術に無縁だった高校生が、一枚の絵を目の当たりにしたことをきっかけに芸大合格を目指し、自分とは何者なのかを見出そうと奮闘していく物語です。

ブルーピリオド2巻

※1巻のあらすじ、感想はこちら

印象的な主人公のセリフから、著者がこの作品を通して表現したいメッセージが浮かんできます。

絵ってさ言葉だと伝わらないものが伝わるんだよ 世の中には面白いモノや考えがたくさんあるって気づけるんだよ 「見る」以上に「知れて」「描く」以上に「わかる」んだよ



人の認知・解釈、事象の複雑性という今の時代のホットなテーマ性が想起されます。

人のストレスの要因は多数ありますが、複数人での認識のズレはその大きな要素だと思います。

僕らは家族、会社、学校、地域と、多様なコミュニティの中で暮らしていますが、それぞれの中で性質の異なる認識のズレが日々発生しています。

ほとんどの対話はこのズレを埋める作業ともいっていいですね。

このズレが埋まらないとどうなるか。

ある人は怒りにまかせて相手を屈服させようとする。

ある人は諦めて投げやりになる。

ある人は今回は一旦ヒートダウンさせて、別のやり方での説得を考える。

ある人は諦めて自分が折れて相手に合わせる。


自分ならどうするか。

そもそも脳内に蓄積された知識と経験、思考の癖が異なる人を説得しようとは思わないですね。

相手だけでなく、こちらにも大きなストレスがかかりますから。

その人とは考えが異なるままで、対応しうる方策を考えて最前の選択をするでしょう。

別の人と組む、その人とともに手掛けようとしていた策を見送るなどになるのでしょうね。

人は変わる存在ですが、自分の内からしか本当の意味では変われないと思います。


矢口の絵は”ただ目の前のものを描いているだけ”(中略)デッサン力は大事だよ 絵に説得の力をもたせてくれる でも大事なのは”自分の絵”を描くこと

まずは自分が何を好きか知ること そこから始めましょ



言うまでもなく美術とは、自分というフィルターを通して世界をどう切り取り、2次元の中にどう表現するかという世界です。

「自分の絵」の部分を日々の言動や仕事に置き換えてみると、何も美術の世界だけの話ではないテーマ性をもっていることがわかります。

ニュースや他の人の言葉の表面だけなぞって他の人に伝言ゲームしているだけでは何も生まれませんね。

そもそも自分が見聞きしている情報の信憑性を疑いたいものです。

ほとんどの世の中の情報は他の誰かのフィルターを通した2次情報ですから、そこには必ず誰かの1次フィルターが介在していますね。


自分の発言の何割が誰かの意見の受け売りではないオリジナルのものだったかを振り返ってみるといいと思います。


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