旅の四宝1巻の感想〜ぶっ飛び企画マンの人間心理把握とツアーのアイデアが面白い 

2018年1月に発売された3巻で完結した本作品の第1巻を読みました。

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10億の赤字で身売りを考えている旅行会社が舞台。

そこで起死回生の一手として社長の娘でもある企画開発部長、朱雀凪紗は他社で脅威の実績をあげた変わり者のツアープランナー、獅童泰人をスカウト。

獅童はその後、この会社の問題を見抜くため、下っ端のバイトとして入社し、持ち前の企画力で斬新なツアーを生み出して会社を立て直していくというストーリーです。

読みどころはこの獅童の人間心理をふまえた企画の目のつけどころにあります。

常識では不可能と思われる顧客の要望に絶対Noと言わず、企画を考えて提案。

それが実際にドンピシャ顧客に刺さり、約束通りの成績をあげていくところがスポーツ漫画のような爽快感を生み出しています。

例えばこんな話です。

人生最高のホタルが見られるツアーと題した企画。

企画開発課長の羽仁矢太郎は、人により「最高」の定義は異なる上、何の根拠となる数字もないから優良誤認としてクレームにつながると大慌てします。

ところが獅童はこの課長が臆病すぎるだけと、 余裕の態度。

予約は満員となり、顧客の期待も高まりますが、当日は雨。

まわりのスタッフの心配をよそに、 獅童は何の説明もしないまま、自分はお酒を調達して遅刻。

会場を暗くしてシャンパンタワーにお酒注ぐと、そこは光る海ホテルの幻想的風景が広がっていました。

お客様は全く予想していなかった光景に感激の嵐となります。

課長の羽仁が相変わらず、一人でもクレームがきたら終わりだと慌てています。

そこで獅童が放った言葉がこれです。

あんたにゃ覚悟が足りねェよ。最高のものを最高と言って売ることができる覚悟だ。

フジテレビの「スカッとジャパン」のような展開ですね。

スタッフにも事前に何の説明もしなかったのは、お客様にへたな先入観を抱かせない作戦だったのです。

このあたりの味方も巻き込んだ期待値管理は見習いたいものです。

同じ取り組みでも、事前の情報の出し方や環境で効果は歴然と違いますからね。

この他にも、御衣黄と言われる緑の桜を引き立たせるため、自分は黄色のスーツを着ることで緑の美しさを際立たせる演出をします。

ここでは更に都内で10本もなく、普通の桜が散った後の数時間しか見られないという、場所と時間の希少性を訴求し、その体験価値を高める演出にも取り組んでいます。


このように人間心理を巧みに操ったマーケティングは実社会でも応用のきくものです。

1話ごとにほぼ完結したストーリーになっているので読みやすいのもよいですね。



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著者の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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