DEVILMAN crybabyは愛とバトンの物語〜最終話から振り返る

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地球を我が物顔で支配していた人間を滅ぼすため、サタンは飛鳥了という人間の姿になり、サイコジェニーの力でサタンとしての記憶を消し去り人間の弱みを学んだ。


欲望に溺れると理性を失いやすい。

恐怖に弱い。

集団の心理になびきやすい。

自分を守るためなら他人を平気で傷つける。


しかし、純粋な心と強い意志をもつ不動明のことだけは助けたいと思った。

なぜなら、サタンは両性具有であり、明を無意識的に愛したから。

だから悪魔の力を使って彼をデビルマンにしたて、人間同士の殺戮から救おうとした。

そして学んだ人間の弱さを利用して滅ぼすため、テレビというメディアを使って明の正体をばらし、人間を殺し合いに導いた。

想定した通りの展開となった。

しかし了には見落としていたことが二つあった。

一つはサタンとしての了のセリフにある通り、自分のしたことは神がデーモンに対して行ったことと同じことだったということ。

結果として守りたかった明の命を奪うことになった。

もう一つは人間一人ひとりの弱さと表裏一体にある善意の連鎖の力、「愛」だ。

これは漫画原作よりもNETFLIX版アニメで強調されていることだ。

サタンは、人類を滅ぼそうとした時に明だけは助けたいと思ったが、それは本能的なものでなぜなのかまではわかっていなかったのだろう。

愛とは何なのか。

この人と人をつなぐ愛の象徴としてNETFLIX版アニメでは陸上競技の「バトン」が描かれているのだ。

サタンとしての了から無意識に発せられた愛は不動明、牧村美樹、ミーコ、ワムら不良たちへとつながり、最終話ではデビルマン族の結束を通して明から再び了に戻ってきたのだ。

そこでようやく了はこの愛が何なのかをはっきりと自覚できたのだ。

最終話でのサタンの言葉がこのことを表している。


明、俺は今何かを感じているよ
これは何だ
(涙がこぼれる)
教えろ
何だ明
俺の気持ちを感じてくれ
話を聞いてくれ


DEVILMAN crybaby 第10話より引用



人間は一人ひとりは弱い存在だ。

しかし現在の文明を切り開いてきた力の源は、言語を操り集団で想いを紡ぎあげる愛の力だ。

愛は人の心から生まれる。

正しい方向に向けられれば、それは素晴らしい善の力にもなるが、一度ダークサイドに向かい出すと真逆の結果をもたらす。

このことは数々の歴史が証明している。

人はみな一人ひとり異なる存在だ。

異なるものを対立ととらえるのでなく、違うものとしてありのままとらえてバトンをうまく渡していくことだ。


これがDEVILMAN crybabyから受け取ったメッセージだ。



こちらは連載当時の原稿当時の誌面に可能な限り近づけた復刻版で、B5サイズです。全3巻です。



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