シレーヌの魅力とメッセージ〜DEVILMAN crybaby 第5話の感想とともに 

子供の頃みたアニメのデビルマンに登場する悪魔の中でもとりわけ「シレーヌ」は印象深いものでした。

悪魔ながら淡麗な容姿とデビルマンとの攻防の展開が面白かったからでしょうか。

今回のNetflix版アニメでも1話を使ってかなりフィーチャーされています。

シレーヌを通したメッセージは基本的には原作漫画と同じです。悪魔にも愛がある。もしかしたら人間よりも。そしてそれは最終話の名場面への伏線ともなっています。

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デビルマンとの闘いで瀕死の重傷を負いますが、シレーヌに想いを寄せる悪魔、カイムが悪魔の合体能力を活かして自らの首を尻尾で切り落とし、シレーヌのために自分の身体を捧げるのです。

カイヌの身体にシレーヌの上半身が合わさった化け物は、強力なパワーで今度はデビルマンに瀕死の重傷を負わせます。

明の心をもったデビルマンのことは憎いシレーヌですが、明に憑依した悪魔の戦士、アモンには愛をもっていたのでしょう。

最後はデビルマンにトドメを刺さず、美しい朝日が差し込む草原の中で勝ち誇った表情を浮かべて死んでいるところを明に発見されます。

このシーンは中盤の名シーンですね。

直前のデビルマンとの空中戦が、暗闇の中赤黒く光る月を背景に描かれていたことと非常によいコントラストになっています。

明への憎悪とアーモンへの愛の対比を象徴するかのような映像です。

このシレーヌとの壮絶な戦いに至る前の展開は、漫画原作とは異なります。

漫画原作では、明は水に化けるゲルマーの襲撃から美樹を守ろうとしているところをシレーヌの鋭い爪で捕まえられて山奥へ連れていかれます。

そこへ了が助けに入り、鉄砲でシレーヌを不意打ちし、明がデビルマンに変身するのをサポートします。

そしてデビルマンに爪をコントロールしているのが触感であることを見抜かれて自らの爪で重傷を負います。

この絶対絶命のピンチにシレーヌはゼノンに助けを求め、そこに現れたのがカイムでした。


Netflix版アニメでは、シレーヌはカイムとともに人間の姿で潜んでいます。そしてアモンの魂を呼び覚ますため、売春宿に明を誘い込むのです。

アモンに取り憑かれた明は、悪魔の殺戮衝動や情欲を抑えきれず、了に相談して金を渡され、売春宿に辿りついたのです。

これはキリスト教が説くところの人間の弱さ、七つの大罪の一つである情欲を描いているわけですね。

この後、先に書いた通り、デビルマンとシレーヌとの闘いの後、悪魔にもあった愛、すなわちキリスト教の根本原理でもある隣人愛の大切さというメッセージにつながっていくわけです。

罪から愛へ。

その中でデビルマンは腕をもがれ、シレーヌは顔半分が欠落し、カイムは頭を自ら絶って合体して闘うというか壮絶なバトルが展開される。

第5話が人を惹きつける理由はこのような怒号の展開と強烈なメッセージ性にあるわけです。



こちらは連載当時の原稿当時の誌面に可能な限り近づけた復刻版で、B5サイズです。全3巻です。



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著者の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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