DEVILMAN crybaby~第1話中心に原作漫画、昭和のアニメと比較すると... 

昭和アニメとは全く異なる、原作漫画を現代向けにチューニングしたアニメ



Netflixで2018/1/5から世界に配信されている「DEVILMAN crybaby」。

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デビルマンといえばアラフィフ世代にとっては子供の頃にウルトラマン、仮面ライダーと並んで強烈な印象を残したヒーローです。

「あれは誰だ、誰だ あれはデビル デビルマーン、デビールマーン」という脳裏に焼き付く印象的な歌詞。

「デービール!」という掛け声とともに、緑色の身体に黒いマスクの巨人に変身。

掛け声とともに放たれる「デビルビーム」、「デビルウィング」などの必殺技。

悪魔の強大なパワーをもちつつ、牧村美樹という一人の女性を悪魔の手から必死に守ろうとするそのヒーロー性。

いわゆる正統派とは異なるダークヒーローとして、僕自身を含め、当時の少年の心に確かな刻印を残しました。

※昭和アニメ版第1話はこちらから視聴できます。

その後2004年に実写映画化されましたが、マンガ・アニメ原作作品実写化の典型的な失敗作として酷評され、「デビルマン」というIPは死にかかっていました。

それから10年あまり。

原作者の永井豪先生の活動50周年記念作品として、まさか再度アニメを見られるとは思ってもいませんでした。

それがこの「DEVILMAN crybaby」です。



1話をからかなりのエログロ表現で、ここで脱落してしまう方がかなりいそうです。

そしてこちらは漫画原作に沿ったストーリー展開で、内容的にも 昭和のアニメとは別作品といっていいです。

格好いい変身シーン、必殺技などは一切でてきません。

漫画原作同様に、昭和アニメには一切登場していなかった堕天使、飛鳥了が影の主役として物語をリードしています。

作品としてのテーマ・メッセージも、昭和アニメのような愛するヒロインをひたすら悪魔の手から守るというシンプルな内容ではありません。

漫画原作同様に、基本的には人間の暗黒面をこれでもかと描いています。自然界の中での人間戦争集団社会心理などがサブテーマです。

漫画原作では最後、救いがないような終わり方でしたが、 Netflix版アニメでは陸上でのバトンをモチーフに、最も尊い愛という存在に気づく堕天使、了の姿が印象的です。

また、当然ながら世界設定やキャラクターには多数の改変がなされています。

ヒロインであることは変わりませんが、牧村美樹は今の時代に合わせてか、グラビアアイドルです。

現代を舞台として、陸上競技ラップスマホとSNS川崎の街並みなどが大胆に取り入れられているのが印象的です。

まずは1話を題材に、3作品の共通要素と、主人公不動明の人間像を比較してみるとこうなります。

3作品の共通要素


  • 氷の世界に閉じ込められていたデーモン族が目覚め、地上を支配している人間を滅ぼそうとする。
  • 不動明が人間界を滅ぼそうと企むデーモン族の英雄、アーモンに憑依される。
  • 憑依された不動明は悪魔の強大な力を手に入れ、デビルマンに変身できるようになるが人間の心は失わない。ただし性格にはそれまでになかった凶暴さが現れる。
  • 不動明は牧村美樹を愛し、デーモンから守るために戦う。


3作品の差異要素~不動明のキャラクター


漫画原作


運動神経はいいながらも、泣き虫で引っ込み思案な少年として登場します。

不良3人組に牧村美樹がからまれますが、「そんなこと こまるんだなあ」と怖気づいて何もできません。突如現れた飛鳥了に助けられて事なきを得ます。

しかしその後、了の自宅に連れていかれてからの展開を読むと、了に絶大な信頼を寄せており、彼のためなら自分を犠牲にしてもよいと考えている精神的に芯の強い男であることがわかります。

それは了のこの言葉で明確になります。


人間の心をもちつづけることのできる者!それはデーモンの意識をおさえる強い意思 善良で純粋な心を持ち、正義を愛する若者でなければならない!だからおれは不動 昭 きみをえらんだ!


漫画「デビルマン」 1巻より引用




デビルマンとなってからは 引っ込み思案なところがなくなり、行動も見た目も荒々しく変わります。

昭和アニメ


悪魔アーモンに取り憑かれて強大な技と変身能力を身につけますが、内面性は多少荒っぽくなる程度で大きな変化はありません。アーモンに取り憑かれる前、父親と雪山を登山している時から芯のしっかりとした青年として描かれています。

漫画原作のような泣き虫で引っ込み思案な様子は最初から一切描かれていません。

強く真っ直ぐな心の持ち主で、昭和の典型的なヒーローキャラです。

Netflix版アニメ「DEVILMAN crybaby」


幼少期の了とのエピソードから始まり、二人のキャラクターの違いが描かれるとともに、最終話への伏線となっています。

了は嫌われ者、明は泣き虫として登場します。

明はその後、高校生になっても友達が死亡したという報道を受けて大粒の涙を流した姿で描かれています。涙=愛の深さということでしょうか。

現代を舞台とした設定の中で、未だスマホをもっていなく牧村美樹に早く買うようせかされています。自宅のパソコンでエロいものを見たら履歴を消しておくよう、美樹にうながされる始末です。

元の明は臆病な性格だけれども、友情や悲しみに敏感な純粋な心の持ち主ということがかなり強調して描かれています。

最後まで視聴するとわかるのですが、 Netflix版は漫画原作と基本的には同じストーリーラインをなぞっていますが、漫画原作に比べてメッセージはポジティブです。

人間の「業」をこれでもかというほど描いていますが、最終的には人を動かす愛の力が肯定的に表現されています。

このメッセージに合わせて明のキャラクターも、純粋さが強調されていると考えられます。

さて、まだまだ書ききれていないことが多いですが、本日はこの辺で。


Netflix版アニメ「DEVILMAN crybaby」をご覧になった方はぜひ漫画原作も読んでみてください。デビルマンの本質は漫画原作を読んでこそわかるものです。両作品を比較しつつ観ることで、更なる楽しみが広がります。





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著者の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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