「地方は活性化するか否か」〜女子高生の活躍を前に、統計データから地方創生を考える 

地方の過疎化問題が叫ばれてから久しい。こばやしたけしさんによる漫画「地方は活性化するか否か」は、架空の地方都市である「みのり市」(著者の地元である秋田市がモデルの模様)を舞台に、女子高校生が少子高齢化や人口流出の対策を考え奮闘するはなしであり、その中で様々な過疎化問題が取り上げられている。それもかなりリアルに。石破茂地方創生大臣のブログでも取り上げられ、対談までしている。



そこで、全国の都道府県でどの地域、どの県で人口流出が激しいかを調べてみた。直近の転入超過数の人口比率を比較すると、ワースト3は青森県、宮崎県、秋田県だった。(総務省データをもとに算出)。秋田市を元にした上記漫画が生まれてくるわけである。地域別でもこの3県のある東北と九州で流出が激しい。宮崎県は温暖で食べ物が美味しく住みやすそうなイメージがあったが意外だった。
転入人口率


ではいったいこの流入比率は何に起因しているのだろうか。漫画「地方は活性化するか否か」の中でも、魅力的な大学や大企業がないこと、郷土愛やおいしい農産物について、結婚相手との出会いがないこと、交通機関が不便なこと、遊び場がショッピングセンターくらいしかないことなどが語られている。
実際どうなっているのだろうと思い、都道府県格付研究所他のデータを使い、各都道府県の民営事業所の売上、可処分所得、県内総生産額、住民の愛着度、県外からの魅力度、県民所得などを調べ、先ほどの流入比率との相関を分析してみた。すると、愛着度や魅力度はほとんど相関しておらず、相関係数0.85と最も高い相関を示したのは県内所得であった。単位人口当たりというより、県民全体としての所得の方が相関していた。要は稼げない県に人は住もうと思わないという揺るぎない事実である。可処分所得や犯罪件数にもある程度の相関はみられた。

放っておくと、仕事の豊富な東京一極集中がますます加速してしまうわけである。事実、東京の流入比率は人口が多いにも関わらず断トツで、二位の神奈川県の2倍以上である。自治体による特産物や自然環境のアピールも大事だが、抜本的な産業育成がないと過疎化対策としては厳しいということである。


※関連地域系記事
23区在住外国人の人口比率分布

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著者 ”さぐりん”の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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