ドレッドノットはサスペンスと思いきやお仕事漫画⁉︎〜ネタバレと感想
アフタヌーン連載中のホラーテイストで始まる漫画。11月に単行本1巻が発売されたばかりです。
就職活動中の女子学生がひょんなことから恐怖体験に巻き込まれ、どうなることになるかと思いきや、お化け屋敷作りの仕事に参加していくというレアな展開が面白い作品です。

就職に向け、企業説明会に行ってきた伊坂詩織。
新宿駅前で結果を電話で母親に報告し終わると、見知らぬ若い男性から「ごくろうさん」と声をかけられる。
この男性からバイトの誘いを受けた詩織は半ば強引にタクシーに乗せられ、バイト先に向かうことに。
タクシー内で眠ってしまった詩織は気がつくと多数の絵に囲まれた見知らぬ暗い部屋にいた。
手首にはなぜか腕輪がはめられている。携帯電話はバッテリー切れ。助けを呼ぶこともできない。
部屋をでると通路には監視カメラがある。
背後から突如得体の知れないものが近づく。恐怖のあまり逃げまどう詩織。
しかし逃げた先の壁には血だらけの肉片が。。
絶叫し助けを求め、更に暗闇を奥に進む。ドアを開けると明るい通路に出る。
その先のドアからは何やら人の声。詩織は恐る恐るドアを開けると、そこは普通の事務所で先ほど声をかけてきた男もいた。
なんとそこはお化け屋敷クリエイターの事務所で、詩織が体験したことは新しいお化け屋敷の企画デモ。
その体験フィードバックをするバイトとして誘われていたのだ。
男は詩織に何の説明もせずに恐怖体験のバイトをさせたことで、会社の仲間から叱られることに。
手首の腕輪はセンサーで、高度な恐怖の演出を作り出していたのだ。
事務所の外は海浜公園。そこにあるモール内に新たにお化け屋敷をつくる計画なのだ。
詩織は車で駅まで送り届けられると、体験中は怖かったが、作り物とわかった今、面白く楽しい思いに変わり、他のお化け屋敷も知りたいと言い出すのだった。
その後、男からは連絡がない中、詩織は学友から学校の近くのビルでお化け屋敷をつくっているという噂を聞きつけ、早速足を運ぶ。
そこにはあのお化け屋敷クリエイター集団の会社、ドレッドノットとかかれていたのだ。
詩織はドアの中を覗いていると、今度はキャスト間違えられ、なんとお化けのメイクをされてしまう。
どうしようかと考えながら歩いていると、あの時の男に再会する。二瓶氷吾というプランナーだった。
氷吾は今制作中のお化け屋敷の中を詩織に案内する。
そこではアーキテクトデザイナー、エンジニア、アートデザイナー、ディレクターなど様々な人が知恵を絞って制作にあたっていた。
詩織は高校の学祭でお化け屋敷を手がけたことがあり、更に興味をもつと、氷吾から一緒にやろうと誘われる。
ドレッドノットの新しいお化け屋敷が翌日オープンする。
急遽詩織も出口スタッフとして参画することになる。
そこは体験者が最後にほっと一息安心する場所であるとともに、その直後に大いに驚かせられる演出が待ち受けていた。
氷吾は自らお化けとなり、この最後の演出を担当していた。詩織はそのゆるキャラのような顔が体験者を安心させるのに好都合ということで出口スタッフに選ばれていたのだ。
詩織はその後、正式にインターンとしてドレッドノットで働くことになる。
3日後にインターンとして事務所に呼ばれた詩織。
オフィス内を眺めていると後ろから見知らぬ男が近づく。
この男、ドレッドノットの同業者だと名乗る。そしてドレッドノットは強引で評判が悪いという。
そしてこの会社の契約書や企画書を盗もうとする。
詩織は見過ごすわけには行かず、閉められた扉を体当たりで突き破り、追いかける。そこへちょうどドレッドノットのメンバーも到着。
なんとこの不審な男、ドレッドノットの社長だった。おまけに強引に仕事をとってくる張本人だったのだ。
その後、商業高校出身の詩織は話の流れでドレッドノットで経理を担当することになる。
この社長がとってきた新たな仕事は大きなホールを貸し切り、ハッピーウエディングをテーマとするイベントだった。
クライアントは動画配信を手がける会社。
カップルをターゲットに2人の絆が深まるような企画として、お化け屋敷を手がけるドレッドノットの発想力に期待していた。
気乗りしないテーマに氷吾は企画の方向性に悩む。
最終的には詩織の言葉にヒントを得て、別々の入り口から入ったカップルが中で出会うお化け屋敷の企画を思いつくのだった。
都心近郊の常設お化け屋敷はほとんど足を運んだ僕としては、何とも感慨深い漫画です。
ホラー漫画は多数ありますが、女子学生の恐怖体験からお化け屋敷を舞台にしたお仕事漫画につながる展開は他にないのではないでしょうか。
また、お化け屋敷プランナーにきちんと取材した上で書いていると思われます。
お化け屋敷の恐怖演出や楽しさについて氷吾や詩織が語るセリフには非常に共感できます。
お化け屋敷で大事なのは体験者がその世界に入り込むための世界観とストーリー、緊張と緩和の展開、造作物の緻密さ。
そして作り物という前提の安全性が、恐怖を楽しさに変えることなどです。
一巻でこの充実した内容。2巻以降どんな展開をみせるのか。
時代のトレンド的にVRやMR系に展開していくのか、はたまたオバケンのような一軒家かくれんぼの恐怖体験が登場するのか、注目です。
※海浜公園近くのお化け屋敷という設定が登場しますが、台場怪奇学校を意識しているのでしょうね!あそこの怖さは断トツですから!
そう思いながらコミックのあとがきを見たら、台場怪奇学校、五味さんのオフィスバーン、OBAKEREA、SCRAP、としまえんなどの取材協力先名が掲載されていました。
就職活動中の女子学生がひょんなことから恐怖体験に巻き込まれ、どうなることになるかと思いきや、お化け屋敷作りの仕事に参加していくというレアな展開が面白い作品です。

あらすじ
すべての人間に
就職に向け、企業説明会に行ってきた伊坂詩織。
新宿駅前で結果を電話で母親に報告し終わると、見知らぬ若い男性から「ごくろうさん」と声をかけられる。
この男性からバイトの誘いを受けた詩織は半ば強引にタクシーに乗せられ、バイト先に向かうことに。
タクシー内で眠ってしまった詩織は気がつくと多数の絵に囲まれた見知らぬ暗い部屋にいた。
手首にはなぜか腕輪がはめられている。携帯電話はバッテリー切れ。助けを呼ぶこともできない。
部屋をでると通路には監視カメラがある。
背後から突如得体の知れないものが近づく。恐怖のあまり逃げまどう詩織。
しかし逃げた先の壁には血だらけの肉片が。。
絶叫し助けを求め、更に暗闇を奥に進む。ドアを開けると明るい通路に出る。
その先のドアからは何やら人の声。詩織は恐る恐るドアを開けると、そこは普通の事務所で先ほど声をかけてきた男もいた。
なんとそこはお化け屋敷クリエイターの事務所で、詩織が体験したことは新しいお化け屋敷の企画デモ。
その体験フィードバックをするバイトとして誘われていたのだ。
男は詩織に何の説明もせずに恐怖体験のバイトをさせたことで、会社の仲間から叱られることに。
手首の腕輪はセンサーで、高度な恐怖の演出を作り出していたのだ。
事務所の外は海浜公園。そこにあるモール内に新たにお化け屋敷をつくる計画なのだ。
詩織は車で駅まで送り届けられると、体験中は怖かったが、作り物とわかった今、面白く楽しい思いに変わり、他のお化け屋敷も知りたいと言い出すのだった。
虚無に足を踏み入れろ
その後、男からは連絡がない中、詩織は学友から学校の近くのビルでお化け屋敷をつくっているという噂を聞きつけ、早速足を運ぶ。
そこにはあのお化け屋敷クリエイター集団の会社、ドレッドノットとかかれていたのだ。
詩織はドアの中を覗いていると、今度はキャスト間違えられ、なんとお化けのメイクをされてしまう。
どうしようかと考えながら歩いていると、あの時の男に再会する。二瓶氷吾というプランナーだった。
氷吾は今制作中のお化け屋敷の中を詩織に案内する。
そこではアーキテクトデザイナー、エンジニア、アートデザイナー、ディレクターなど様々な人が知恵を絞って制作にあたっていた。
詩織は高校の学祭でお化け屋敷を手がけたことがあり、更に興味をもつと、氷吾から一緒にやろうと誘われる。
ドレッドノットの新しいお化け屋敷が翌日オープンする。
汝暗闇の住人たれ
急遽詩織も出口スタッフとして参画することになる。
そこは体験者が最後にほっと一息安心する場所であるとともに、その直後に大いに驚かせられる演出が待ち受けていた。
氷吾は自らお化けとなり、この最後の演出を担当していた。詩織はそのゆるキャラのような顔が体験者を安心させるのに好都合ということで出口スタッフに選ばれていたのだ。
詩織はその後、正式にインターンとしてドレッドノットで働くことになる。
伏魔殿に沈む
3日後にインターンとして事務所に呼ばれた詩織。
オフィス内を眺めていると後ろから見知らぬ男が近づく。
この男、ドレッドノットの同業者だと名乗る。そしてドレッドノットは強引で評判が悪いという。
そしてこの会社の契約書や企画書を盗もうとする。
詩織は見過ごすわけには行かず、閉められた扉を体当たりで突き破り、追いかける。そこへちょうどドレッドノットのメンバーも到着。
なんとこの不審な男、ドレッドノットの社長だった。おまけに強引に仕事をとってくる張本人だったのだ。
その後、商業高校出身の詩織は話の流れでドレッドノットで経理を担当することになる。
雨に妖しく笑え
この社長がとってきた新たな仕事は大きなホールを貸し切り、ハッピーウエディングをテーマとするイベントだった。
クライアントは動画配信を手がける会社。
カップルをターゲットに2人の絆が深まるような企画として、お化け屋敷を手がけるドレッドノットの発想力に期待していた。
気乗りしないテーマに氷吾は企画の方向性に悩む。
最終的には詩織の言葉にヒントを得て、別々の入り口から入ったカップルが中で出会うお化け屋敷の企画を思いつくのだった。
感想〜リアルのあの場所のこと⁉︎
都心近郊の常設お化け屋敷はほとんど足を運んだ僕としては、何とも感慨深い漫画です。
ホラー漫画は多数ありますが、女子学生の恐怖体験からお化け屋敷を舞台にしたお仕事漫画につながる展開は他にないのではないでしょうか。
また、お化け屋敷プランナーにきちんと取材した上で書いていると思われます。
お化け屋敷の恐怖演出や楽しさについて氷吾や詩織が語るセリフには非常に共感できます。
お化け屋敷で大事なのは体験者がその世界に入り込むための世界観とストーリー、緊張と緩和の展開、造作物の緻密さ。
そして作り物という前提の安全性が、恐怖を楽しさに変えることなどです。
一巻でこの充実した内容。2巻以降どんな展開をみせるのか。
時代のトレンド的にVRやMR系に展開していくのか、はたまたオバケンのような一軒家かくれんぼの恐怖体験が登場するのか、注目です。
※海浜公園近くのお化け屋敷という設定が登場しますが、台場怪奇学校を意識しているのでしょうね!あそこの怖さは断トツですから!
そう思いながらコミックのあとがきを見たら、台場怪奇学校、五味さんのオフィスバーン、OBAKEREA、SCRAP、としまえんなどの取材協力先名が掲載されていました。
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