ロッタレインの最終話の意味とは?〜自分で考え、責任をもつこと 

感情に揺さぶりをかけてくる漫画。そして背景に投影された一や初穂の心情が映画のよう。

ストーリー、キャラクター、背景、全て緻密です。

三巻一気に読みました。

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ネタバレ含むあらすじ


主人公の玉井一、30歳。東京で一人暮らし。

幼い頃、父親は家族を捨てて他の女性の元へ。長年暮らして来た母親も他界。

そんな境遇の中、バスの運転手を務める一は上司にいびられる毎日。

その上司が一の彼女と浮気している現場を目撃してしまった動揺が原因なのか、ある日、回送バスを運転中、事故を起こし、脚を骨折してしまう。

病院で入院生活が始まる。

そこへ、一の身を案じた父親が病院を訪れ、一も父親が暮らす長岡市で同居することになる。

父親の家族は妻の美子、その連れ子で中学一年生の初穂、一の弟の澄也。

5人での新たな生活が始まる。

初穂は当初、一によい感情をもっていなく、二人はぎこちない関係が続いていた。

ある日、初穂の母親、美子が大動脈瘤で突如庭先で倒れ、病院へ。意識はその後回復したものの、数日後には亡くなってしまう。

一は生活を共にする初穂が徐々に気になる存在になっていく。

美子のお通夜で、初穂の同級生、奥野が初穂にキスしている所を目撃した一は、奥野を殴りつける。

その後も初穂につきまとう同級生の奥野から初穂を守るため、一は奥野に二度と初穂に近づかないよう、約束させる。

このことがきっかけとなり、一と初穂は急速に距離を縮めていく。

酒を飲んで帰宅した一は、初穂に抱えられ風呂に入ろうとしてふとよろめいた瞬間、初穂を目の前にして、キスしようとする。

その瞬間、目の前に父親が現れてしまう。

ギクシャクしだす家族。

どうしていいかわからなくなった初穂だったが、一と本音をぶつけ合うことでお互いの気持ちを確認することになる。

初穂が高校を卒業する6年後、父親に本当ののとを打ち明けるまでは兄と妹の関係でいることに。

そんな二人の前に大きな障害が立ちはだかる。

また奥野だ。

一と初穂の関係に気づいた奥野は、そのことを一の会社と初穂の学校に匿名で密告したのだ。

周囲は二人に疑いの目をむける。

動じない二人だったが、父親はこのことを問題視し、一を残して幼い子供達とともにオーストラリアに移住することを決意する。

動揺する一と初穂。

二人は思わず車で家出。あてもなく彷徨ったのち、東京で二人暮らしを始めることに。

更に気持ちが高まる二人。

最終話に向けて、最後の波乱が起こる。

愛し合う二人だったが、ある日初穂の姿が消えてしまうのだ。初穂は父親の元に戻り、オーストラリアに行くことを決意していた。

寝耳に水の一は動揺する。

長岡市の花火大会の日。移住の前の記念として訪れた初穂らの前に、吸い寄せられるように一が現れる。

初穂を再び目撃した一は思わず転倒し、再度骨折、入院生活を余儀なくされてしまう。

病院のベットの上。

うつらうつらする一の目の前には、初穂の姿。

初穂は一の元を去ったのではなかったのだ。

6年たったら帰ってくるよ。そしたらもう何も心配はいらないよ。

病室には野球中継が流れ、外は雨の中、虹がかかっていた。


感想と考察


血のつながっていない、17歳年の異なる兄と妹は愛し合ってはいけないのか。

このことを拡大解釈すればこうなりますね。

ある社会通念と、それに相反する自分の考え方や心の奥底から湧き上がる気持ちは、どちらを優先すべきか。

今、時代の狭間におかれた日本でまさに問われているイシューと言えますね。

一や初穂は社会通念上は一見、無謀で社会の常識からずれたことをしています。

しかし、実際に自分の行動に責任をもてていないのは、二回も家族を見放し口先だけで謝る父親や、噂をたてて騒いでいるだけの周りの大人達の方でしょう。

大事なのはしっかりとした自分の判断基準をもつこと。そしてその結果として起こることに責任をもつことです。

絶対の正解がない時代。

先入観に騙されないよう、日々自分の頭で考え、問い続ける姿勢が必要ですね。




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著者 ”さぐりん”の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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