週一夜だけ心を開くガールミーツボーイ〜"月曜日の友達"の感想、考察 

あらすじ(ネタバレ含む)



中学に進学したばかりの水谷茜。周りに比べ子供っぽさが抜けず、今ひとつ周囲に溶け込めず、浮いた存在。だから集団スポーツも苦手。入学二週間目で早くも月曜日が憂鬱に。

もう一人同じような境遇にある男子、月野透。クラスで変わり者という評判がたっている。

二人の最初の出会いは階段下で偶然ぶつかり、言葉を交わしたこと。お互い最初はよい印象はなかった。

その後、二人の関係性は様々な出来事を通して徐々に変化していく。

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火木という女性に絡まれていた月野を救う水谷



幼い面がありつつも、純粋な心をもつ水谷は、月野一人相手に集団で嫌がらせをする火木という同級生の女を黙って見過ごすことができず、間に割り込む。

このことが二人の心を近づけて行く。

夜の学校で再び偶然顔を会わせる二人


家でも学校でも優秀な姉を引き合いに出されて変なヤツ扱いされる水谷。運動も苦手。自分の居場所を見い出せず、夜の学校に向かう。

そこで運命の糸にたぐられるかのように、校庭で月野に偶然会う。

月野は水谷にこう言う。「別に変でもいいいじゃないか。

超能力を使えると、突拍子ないことをいう月野に水谷は戸惑いつつも、月野からの誘いで毎週月曜日夜に校庭で二人だけで会う約束を交わす。

数回目の月曜日夜、お互い心の内をさらけ出す



化粧の話をして、カラオケに興じる同級生の女子との間にギャップを感じる水谷。自分だけ息苦しさを感じている。

カラオケを早々に切り上げ、月野のいる夜の校庭に向かう水谷。二人はお互い団体競技が苦手なことを知り、 ますます意気投合する。

そして何度めかの月曜日夜。火木が苦手だと月野は言い、水谷は姉が苦手だと心の内をさらす。

昼間は自分のことを無視する月野に対し戸惑いつつも、かえってそれが月野のことを気にさせていく。急速に二人の心が近づいていく。

水谷は月野に友達になろうといい、二人は夏休みの月曜日に出かける約束をする



水谷に貸してあげるはずだったゲーム機を火木にとられたことを謝る月野に対して、何もしてあげられない自分を責める水谷。

別に変でもいいいじゃないか。」という言葉で自分を救ってくれた月野に対して思いがこみ上げる水谷。

そして今度は自分から月野にこう言ったのだ。「私たち友達になろう。楽しいことやつらいことを分けあって一緒に生きていこう。

月野にとって、生まれて初めて友達ができた瞬間だった。二人は夏休みの月曜に出掛ける約束をするのだった。

お互いの家庭環境を知り、二人だけで自転車に乗り自然を感じる


夏休みになり、月野の弟や妹ともにロープウェイに乗り、休日を満喫する二人。共通の体験を通して距離をさらに縮まる。

月野の弟と妹が父親と会っている間、二人は自転車に乗り、自由な時間を満喫する。五感を通して感じられる自然。

沢山の思い出。花火大会、夏の塾、プール。

しかし始まりのあることはいつか終わりを告げる。夏休みが終わると、待ち受けるのは秋。燃える一枚の紙を持っている水谷。

ここで第1巻は終わる。

考察、作品メッセージ


自分の中学時代を振り返っても、中学生の娘をもつ親としても、共感せざるを得ない内容です。

表現の仕方が非常に美しいです。

コマ割り、構図、背景のトーン、表情、短い言葉を巧みに使い分けた詩的な映像的表現で語りかけてきます。

精神的に大人へと成長するとともに、環境が大きく変わる中、様々な戸惑いと葛藤を抱える年頃です。

特に自分自身のことや、友達と家族との関係で悩みが深い。

自分だけ浮いているのではないかと想いの中で、同じ境遇にある同級生からの優しい言葉がどれほど救いになるかは痛いほどわかります。

水谷、月野、火木はそれぞれ家族関係で人にはなかなか言い出せない闇の部分をもっていることがわかります。

紙を燃やす火が夏の終わりと秋の始まりを告げる。

楽しい時間が終わり、それぞれの心の闇が明らかにされてゆくことを暗示しています。


この先、3人の人間関係がどう展開していき、それぞれの心はどこに向かっていくのか。

2巻が待ち遠しいです。



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著者 ”さぐりん”の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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