漫画「血の轍」1巻の考察、感想〜理解と制御をこえた負の要因が恐怖の正体 

悪の華」、「ぼくは麻里のなか」に続く押見修造先生の新作1巻が先日発売。

またも不穏な雰囲気に包まれる中、人の心の闇を描いていそうなので、読まずにいられなくなりました。

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舞台と展開



1巻の冒頭。死んで冷たくなった猫を前に会話する母親と幼い息子が登場。

これが何を意味するのかという謎が、母親、静子の不気味な微笑みとともに提示され、早くも引き込まれます。

その後は親子の家庭、学校を舞台にたわいもない感じで話しが展開していきます。

中盤、母親である静子の息子、静一への過剰な愛情の注ぎ方や、従兄弟が静一を過保護呼ばわりするシーンが描かれます。

このあたりから不穏な空気が流れていきます。何よりも多様な表情を見せる母、静子から目が離せません。

静子は一見美しい魅力的な女性であり、母親です。

しかし、何らかの要因で心に闇を抱え、それが息子への偏愛という屈折した形で表出していることが徐々にわかっていきます。

このぞくぞくと胸騒ぎがする感覚は、押見先生の作品に共通して見られる特徴ですね。

そして終盤にとんでもない事件が起こります。

息子と自分に対して過保護呼ばわりする従兄弟を、本人と息子の目の前で崖から突き落とすという暴挙。。

しわじわ心を揺さぶりつつ、ためてためてズドーンという感覚に魅了されます。


感想と考察



誰しも上記のシーンに恐怖を感じるはずです。

なぜか。

理解不能性
さっきまで普通に会話していた従兄弟を、本人と息子の目の前で突き落とすという心理が理解できないこと。

悪影響性
静一の身に今後悪い影響を及ぼしていくことが予想されること。

制御不能性
従兄弟のしげるを突き落としたのが静一の母親という身近な存在であることで、逃れられないこと。

この三つが恐怖の感情の源と分析します。

2巻以降の展開を楽しみにしています。



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著者 ”さぐりん”の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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