地方創生の問題点とは何か~このアニメ、漫画をみればわかる 

昭和の成長時代を引きずった非現実的で到底達成できない無謀な計画から更に衰退する自治体、若者のやる気をそぐ上世代の暴言という老害、 現状を仕方がないと、どうすべきか考えなくなった思考停止状態の地元民など、今の日本の地方創生に向けた課題は都心に暮らしていると実感しにくい面がある。

地方

政府が発表している「まち・ひと・しごと創生総合戦略」などを読んでも情報量が多く、イメージしづらい。そんな印象をもった方におススメなのが、こちらの作品を鑑賞してみることだ。

マンガ「地方は活性化するか否か


秋田県をモデルとした架空の地方都市「みのり市」に住む数人の女子高生が、実感を込めて地方創生について語り合う4コマ漫画。上記資料を読むより数倍ピンとくる内容だ。

実際、こんなセリフが飛び交う。



「そのうえ行政に至っては活性化という名のもとに全然役に立たない無用なハコモノを作って税金の無駄使いしてるし!」
「カネがない『地方は『カネでにぎわいを作る』んじゃなくて・・・『にぎわいでカネを作る』ようにしないといけないんだよ」
「『やりっぱなしの行政』と『頼りっぱなしの民間』・・・その結果がここに見事に集約されている気がする」






アニメ「サクラクエスト


短大生の由乃が主人公。登録していた派遣事務所からの依頼により、ある田舎町の観光協会で国王(観光大使)として働くことになり、この観光協会の会長から仕事を受ける。

第1話で展開される最初の仕事というのが、会長が原因で誤発注してしまった1,000箱ものチュパカプラ饅頭を一週間で売れというもの。この町の観光客数はせいぜい一週間で500 人という中での無理ゲーである。更にはこの饅頭のデザインがまた酷いもの。

第3話では地元テレビ局から取材の仕事を受ける由乃。国王として町をどう変えたいか突然質問されるもうまく答えられず、町のことをもっとよく知ろうとする。それに対して会長が指示した言葉がまた地方自治の無策ぶりを象徴している。

「感じるんじゃ!この町を風を!!」



そこで感じるだけでは何も得られないと、由乃は町の人にヒアリングを開始する。しかしここで聞かれた町の人の声がまた問題を露呈させる。

「このままでいいよ。ウチは今のままで何も困ってないからね」





小説家の井上ひさしさんの座右の銘として有名なのがこの言葉。

むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく



出典:地球の名言



まさにこの地方創生の問題を理解する時に、政府が作成した資料を読むよりもマンガやアニメを鑑賞した方がよく実感できることを表しているように思える。


最後に蛇足ながら、実際の地方の実態を定量データからいくつか探ってみたのでここにまとめておきます。

  • 地方から都心への人口転入は時系列にどのように推移しているのか。
    戦後最も地方から都心への流出人口とその割合が高かったのは、1960年代初頭。高度経済成長期である。その後の時代トレンドをみると景気循環と連動していることがわかる。近年だと、バブル崩壊時に人口移動が均衡したが、その後再び都心への人口転入が増加してきている。
    出典:「地⽅創⽣の課題と展望

  • 直近で人口転出率の高い都道府県はどこか、それは何に起因するのか。
    以前、こちらの記事で書いたように、人口転出率の高い都道府県ベスト3は、青森県、宮崎県、秋田県。要因として相関性が高いのは地域への愛着度やその魅力度などではなく、県内所得である。要は稼げない地域に人は住もうとしないのである。

  • 地方に移住したいと考えている若者はどのぐらいいるのか。
    2005年調査に比べ2014年調査では、20代の農山漁村への定住願望が30.3%から38.7%へと伸びている。30代以上でも同様に10年前よりも伸びていことが多い。
    出典:「国土交通白書 2015

  • 若い世代が地方で生活するとなった前後で感じるネガティヴなギャップは何か。
    交通、買い物、病院、教育、居住環境、人間関係、治安と防災、仕事のやりがい、暮らしむき、収入と支出など多数の要素の中で、やはり収入にがっかりする。
    出典:「国土交通白書 2015


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著者 ”さぐりん”の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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