「母になる」第2話から見えてくる社会問題〜ひとり親家庭、児童誘拐 

第1話に引き続き沢尻エリカの美貌と感情をゆさぶる演技に魅了された第2話ですが、最後の場面で小池栄子演じる麻子の衝撃の手紙の内容に驚きました。
母子

さて、このドラマ、演技もさることながら、ひとり親家庭生みの親と育ての親児童誘拐という今時の世の中の問題をつきつけていますね。


ひとり親家庭の実態


厚生労働省の「ひとり親家庭等の現状について」(平成27年4月20日)という資料によれば、下記グラフのように、日本で児童のいる世帯は少子化の流れで2000年から2012年12年間で3%減少している中、母子家庭は15%増の82万世帯に増えていますね。父子家庭は数としてだいぶ少なく9万世帯で同期間3%の減少となっています。
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要因は母子、父子共に70〜80%は離婚。結衣と麻子の場合、事情はもう少し複雑。結衣は離婚していますが、その要因は子供の誘拐。麻子と広はこれまで二人で生活してきた母子家庭とも言えますが血の繋がりはない育ての親と子という関係ですから。

そして母子家庭ないしひとり親家庭の問題は貧困に由来するものがほとんど。様々な制約から好待遇の仕事につく機会を奪われるため、収入が低めになりがち。日本だとひとり親家庭の公的支援も限られ、その結果住宅環境や子供の進学状況などが一般家庭よりも見劣りすることになっていますね。


生みの親か育ての親か


子供にしてみれば心はどうしたって育ての親に向きますよね。それを目の当たりにした生みの親の心情は想像するだけで恐ろしくつらい。それを目の当たりにした子供は戸惑うことこの上ない。

第2話でもこのつらい心情がよく表現され、感情移入してしまった親が多数いたでしょうね。

このドラマでは更にやっかいなことに、育ての親、麻子が手紙で広に、自分が本当の母親であり、後から現れる「親」と名乗る女性は適当にあしらいなさいと書いておいたこと。

この展開は現実にはありそうにないですが、実際どうなんでしょうね。不思議なのはありそうにないのに、嘘っぽく感じられず、心がざわつくこと。

脚本とキャストの演技のなせる技でしょうかね。


児童誘拐の実態〜日本と世界


私は知り合いなどから知人が誘拐されたという話を聞いたことはないですが、警察庁の「平成26, 27年の犯罪情勢」によれば、平成27年の略取誘拐・人身売買の認知件数は192件。このレベルなら知人にいないのもうなづけます。

一方、米国や中国などでは深刻な問題のようです。そしてその誘拐犯には離婚した親同士の問題が絡んでいることが多いといいます。


米司法省の統計によると、行方不明者として報告される18歳未満の児童は年間79万7500人に上り、1日当たりに換算すると2185人にもなるという。




THE WALL STREET JOURNAL/2013.5.15より引用


中国での児童誘拐は年間20万件…「買い手」が後を絶たない社会の闇


ウートピ/2016.1.18より引用



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