漫画「バベルハイムの商人」から自我の執着を振り返ろう 

様々な欲望に取りつかれた人々が、悪魔の商人達と「運命金貨」を通じて取引する。

運命の金貨で願いをかなえるには、守るべき約束があることを悪魔の商人から伝達される。

しかし、欲望を制御できずに約束をやぶって身を滅ぼしていくエピソードが展開されていく作品。
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例えばこんな話し



新婚の美人妻に永遠の若さと美貌を与える宝石を欲し、妻とともに悪魔の商人から取り寄せる富豪。妻以外にその宝石を見せてはいけないという約束をする。さもないと大切な人を失うことになると警告される。

しかし、自分の財力を自慢したい欲望を抑えられず、結局は大切な友人を失い、自らは妻を道具としか考えいなかったが、実は妻からは愛されていたということで命を落としてしまうのだ。

何とも皮肉な因果応報である。

もう一つのエピソード



尽くしたものの別の女に乗り換えた男への復讐に取り憑かれた女の話。アリバイ工作のために、悪魔の商人から自分の身代わり人形を入手する。

身代わりの人形に乗り換えた女のところに行かせてアリバイを作り、自分は裏切った男を殺害する。

この悪魔の商人との取引での約束は、身代わりに自分が普段やらないようなことを指示しないこと。これを破って人形が壊れた場合、大きな代償が伴うという。

そして女は予定どおり裏切った男を殺害するのだが、それではおさまらず、自分の身代わりとなった人形の女に、この男が乗り換えた女も殺すよう、電話で指示する。

この普段はやらない殺害指示、恨み・妬みの欲望が問題を引き起こしてしまう。人形自ら発火してしまうのだ。

そして契約した通り、人形に無理を強いた代償として、焼けただれた人形に襲われ、壊れた部品として自らの肉体を奪われてしまうのだった。

自らの命という、とてつもなく大きな代償。何のための身代わり依頼だったのか。


この二つの欲望は、仏教でいうところの5つの煩悩(五蓋)のうちの二つ、自己顕示の「貪欲」と、「瞋恚」(しんに)という怒りだ。

自分自身の心にも影を落としたことのあるものだし、周りの人でもよく起こるもの。

そういえば、最近身の回りでも心の不調に陥る人が増えている。

様々な 執着(我執)に気をつけたいと、改めて感じさせる漫画だ。



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著者 ”さぐりん”の紹介

十代の一人娘と子猫と暮らすという、レア人種のアラフィフ男子。 ユニークな遊び体験やコンテンツ作品の背景にある社会や人の本質について、感じ、考えたことを発信しています。

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